10.15.2006
■[一般書籍]大震災名言録 次の災害を乗り越えるための知恵(藤尾潔)

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大震災名言録―次の災害を乗り越えるための知恵 (知恵の森文庫)
- 作者: 藤尾潔
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2001/01
- メディア: 文庫
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なんとなくふつうの雑学本が読みたくなってきて適当に買ってきた一冊。
阪神大震災を笑いの側面からとらえて調査した名言録なのけど、これは大当たりだった。手放しで面白い。
ユーモアなしで生きていける人間というのは滅多にいないのだけれど、逆に言えば、人が生活していればそこがどんなに大変な環境であったとしても笑い話やらユーモアを見つけ出せるということでもある。
震災の前後にあった出来事・笑い話を一つにつき一ページ弱くらいで紹介しているので読みやすいというのもいい。
例えばこんな感じだ。
「仮設の老人たちの話し相手になってあげたい」
「何か少しでも力になってあげたい」
と神戸入りした若いボランティアたち。
しかし、十代、二十代の人生経験、知識では、被災老人たちのヘビーな相談事には太刀打ちできない。結局、老人たちの幸福度はそれほど変わらないまま、何度もミーティングを繰り返すうち、ボランティア同士で恋が芽生え、結婚するなど、ボランティアの方の幸福度ばかり上昇する傾向があった。
いや、まったくありそうな話だ。
どんな状況におかれたところで、結局は同じ人間なのだから、いろいろな事情やらしがらみやら感情やらに捕らわれるのは当然だ。でもそれが震災直下という異常な状態だからこそ逆に浮き彫りになって、妙に面白い。
まだ半分しか読んでいないんだけど、どのエピソードも、ついつい「くすっ」と笑ってしまうようなものでいいなぁ。
■[小説感想][渡瀬草一郎]空ノ鐘の響く惑星で 12

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- 作者: 渡瀬草一郎,岩崎美奈子
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/10
- メディア: 文庫
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ちょっと夜遅くで眠いため、書きつけ程度に感想を。
渡瀬さんの小説は今までのものがそうだったけれど、いまいちパピヨン度が少ないと思う。が、このシリーズについてだけは例外的に、パンプキンについてだけは非常に強くパピヨンだった。とくに最終巻である12巻ではその傾向が顕著で、
──ああ、渡瀬さんパピヨンだなぁ、
と僕は思ったものである。よいことだなぁ、と思う。
ただ、おかげでパピヨンとして描かれなかったほかのキャラクターの動きが、微妙に印象の薄い物となっているような気がしてならない。いや、別に悪かったわけではなく、ぜんぜん面白かったからいいって言えばいいのだけれど。
ところで、ネット上の感想なんかをみていると、ウルク派、リセリナ派を公表することが大切なのかしらんみたいな風潮になっているけれど、僕はどっちということもない。強いて言えばシルヴァーナ派に属すのかもしれないが、それよりはやはりパンプキン派に所属しているほうが強いような気がする。……シルヴァーナの担当回って1巻2巻のころだけだった気がするし。