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【大人の遠足】旧帝国海軍中枢部を間近に! 記憶を継承する戦争遺跡 横浜の日吉台地下壕群
2014.2.8 07:00
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日吉へ移転後の司令部はレイテ作戦や硫黄島の戦い、沖縄戦などに関する作戦を立案。20年4月の戦艦大和による沖縄特攻も決定された。壕内の電信室では、大和が米軍機の猛攻で徐々に沈んでいく状況を逐次受信。米艦船に突入する神風特別攻撃隊の航空機が発信し続けた無線が最後に途絶えるのも、連日聞いていたという。地下壕は旧海軍の中枢であると同時に“戦場の最前線”でもあった。
同会の男性ガイドは「地下壕の総延長では松代大本営跡(長野県)に及ばないが、松代と異なるのは日吉の地下壕が実戦に用いられた点。戦争遺跡として残し、記憶を継承していきたい」と見学会の意義を強調した。
見学会で案内される地下壕内の行程は約1キロで、滞在時間は1時間程度。薄暗い壕内に当時の機械類は残されていないが、同会の説明に耳を傾けていると、多くの人たちが国の命運をかけて働く緊迫した状況に思いをはせることができた。会社の仲間と参加した横浜市の女性(31)も「地下壕というと避難するイメージだったが、ここでは歴史が作られていた。知り合いにも一見の価値ありと薦めたい」と満足げな様子だった。
(小野晋史)
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■日吉台地下壕群=太平洋戦争末期に旧帝国海軍が建設した総延長約5キロの地下壕群。東急電鉄日吉駅周辺に連合艦隊司令部や軍令部第三部などが移転した。見学会は有料で申し込みは日吉台地下壕保存の会窓口((電)045・562・0443)へ。同会は年1回、ガイド養成講座を実施している。
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