日本ボクシングコミッション(JBC)が7日、東京都内で会見を開き、昨年12月にIBF世界スーパーフライ級王者亀田大毅(25)がIBF・WBA世界スーパーフライ級王座統一戦で負けて王座を保持した問題で、ボクシングの公平性と信頼性を失わせたとして、亀田ジムの吉井慎次会長のクラブオーナーライセンスとプロモーターライセンス、嶋聡マネジャーのマネジャーライセンスの今年度の更新を行わないことを発表。事実上の永久追放処分でジムは消滅。亀田3兄弟のボクサーライセンスも失効し、国内での活動が難しくなった。
極刑だ。ついに、JBCが怒りの拳を振り下ろした。JBCの秋山弘志理事長は「一連の騒動でボクシングの信頼性を傷つけた。吉井さんは会長として、嶋さんはマネジャーとして不適格であると判断した。ライセンスを有しない人物が実質的なクラブオーナーであり、プロモーターであることを物語っており、亀田ジムのガバナンス(統治)が不健全で全く機能していないことを意味している。ライセンスを有していない人物の影響力を完全に排除するなどしないとライセンスは与えることはできない」と言い切った。
ライセンスを有しない人物について、秋山理事長は「吉井さんも嶋さんもなんら権限は持っていないということだが、誰かは言えない」と言葉を濁したが、セコンドライセンスを取り消されている父・史郎さんを指すものと思われる。
1年ごとにライセンス申請を審査することになるが、同理事長は「普通のジムになることが条件。ハードルは高い」と語り、事実上の永久追放処分とも言える。
ボクサーライセンスも1年ごとに自動更新されるが、ジムを通して手続きされることもあり、ジムが消滅した状態で亀田3兄弟のライセンスも失効。国内での試合はできなくなり、他ジム移籍が唯一の方法となるが「実績のある信頼性のあるジムでなければ認めない」(同理事長)と、名義貸しのような形だけの“ジム移籍”は認めない確固たる方針だ。3兄弟は完全フリーの立場で海外に戦いの場を求めなくてはならなくなる。
今後は、亀田ジム側がJBCルールにのっとって再審議を求めて来ると思われるが、これも、セレモニーで、ドロドロの法廷闘争に突入することになりそうだ。 (竹下陽二)
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