佐村河内守さん:福島・本宮 震災追悼で披露予定の曲破棄
毎日新聞 2014年02月07日 20時32分(最終更新 02月07日 22時00分)
「全ろうの作曲家」として知られる佐村河内(さむらごうち)守さん(50)の作品を別人が作曲していた問題で、福島県本宮市は佐村河内さんに依頼して完成していた「市民の歌」の曲を破棄することを決めた。東日本大震災3年の追悼式典でお披露目予定だったが、断念した。市は今後、別の作曲家への依頼を検討する。
本宮市は2007年に町村合併でできた市の一体感を作ろうと昨年、「市民の歌」の歌詞を公募で決定。同11月に「被災地を支援する姿勢が評価できる」と佐村河内さんに作曲を依頼し、今年1月中旬には楽譜が届いた。
市によると曲は3番まであり、ピアノ伴奏の合唱で約4分間。2月5日に市民による合唱の初練習を予定していたが、その日に問題が発覚して急きょ中止した。作曲を仲介したレコード会社「日本コロムビア」は「この曲が代作か確認できない」と回答したという。
市は作曲の報酬200万円を予算計上しているが、支払いはしない方針。同市政策推進課の武田与司弘(よしひろ)課長は「寝耳に水の衝撃。被爆2世で被災地に思いを寄せていることに期待感があったのに」と話している。【片平知宏】