海洋水産部長官を更迭 朴大統領の責任論も=韓国
【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は6日、全羅南道・麗水沖で先月末に起きた原油流出事故に関連して不適切な言動を行った海洋水産部の尹珍淑(ユン・ジンスク)長官を解任した。
尹氏は原油流出事故現場を視察した際、手で鼻を覆っている様子が写真で公開されて問題になった。前日の与党セヌリ党との党政協議会では、原油流出事故について「GSカルテックスが1次被害者で、漁業関係者が2次被害者」と発言し、与党議員から厳しい叱責を受けた。タンカーが麗水の埠頭に接岸しようとした際に、石油会社であるGSカルテックスが所有する送油管3本を損傷させ、配管内部の原油が海に流出した今回の事故の第一の被害者としてGSカルテックスを、漁業関係者その次の被害者と発言したことになる。答弁の過程では笑う姿を見せ、「今笑っている場合ですか」などの指摘も受けた。
青瓦台(大統領府)の閔庚旭(ミン・ギョンウク)報道官は同日午後の会見で「朴大統領が鄭ホン原(チョン・ホンウォン)首相からの解任建議を受け、尹長官を解任した」と発表した。これまでに首相が解任建議権を行使した事例は、2003年10月に当時の海洋水産部長官に対する解任建議が盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領に対して出されたのが唯一だ。
現政権で閣僚が更迭されるのは陳永(チン・ヨン)前保健福祉部長官に続き、2人目となる。
尹氏は就任前の人事聴聞会の際も失言を繰り返したほか、関連分野への知識不足を露呈し、野党はもちろん与党内からも資質を問う声が出ていた。尹氏は朴大統領が野党だけでなく、与党の一部の反対を押し切って「能力と専門知識」を理由に任命した人事だったため、朴大統領の責任論も浮上しそうだ。
尹珍淑氏=(聯合ニュース)