IBF世界スーパーフライ級王者の亀田大毅(24=亀田)がWBAとの王座統一戦で判定負けしながら王座にとどまった“ドタバタ防衛劇”が波紋を広げている。大毅の父、史郎氏(48)は日本ボクシングコミッション(JBC)の不手際だと指摘し「世界の恥さらし」と断罪した。
大毅が判定負けしたにもかかわらず「防衛成功」となったことが発端のドタバタ劇。大毅は大阪市内で予定されていた4日の一夜明け会見を欠席。亀田ジムの嶋聡マネジャーは「減量の影響と、試合のダメージが大きいため」と説明。前夜初防衛に成功したWBOバンタム級王者の和毅(22)は「これから絶対に強い姿で戻ってくる。俺は信じている。まだ24歳だし、これで終わりじゃない」と兄にエールを送った。
ただ、ネット上を中心に騒動の波紋は収まらない。試合前日(2日)に計量をパスできずWBA王座を剥奪されたリボリオ・ソリス(31=ベネズエラ)は、IBFからするとタイトルへの「挑戦者」になる。王者が計量をパスし、挑戦者が計量をパスできなかった場合、「試合の結果にかかわらず王座の移動はない」とのルールを誰がどう認識していたかが、今回の騒動のカギとなる。
そんな中、史郎氏は「俺も知らんかったけど、ルールミーティング後に知った。俺ら(亀田ジム)は英語もスペイン語も話せる通訳を用意してミーティングに出てるが、JBCはそれをしとらんやろ。言葉が分からんのに、通訳も用意せず『何しゃべってたか分かりません』じゃ世界への恥さらしやで」とJBCの対応をバッサリ。
ネット上では大毅の防衛が「IBFが仕組んだ亀田裁定」のようにいわれているが、このルールはもともとIBFのルールブックに明記されているものだ。ところが、JBCの秋山弘志理事長は「大毅が負けたら空位になると思っていた」と発言した。同理事長は大阪での亀田戦には立ち会っておらず、ルールミーティングの詳細などは把握していないとはいえ、今年4月にIBFを公認した組織がその団体のルールを「知らなかった」ではお粗末のひと言だろう。
史郎氏はJBCから事実上の永久追放状態にあるため「俺からは何も言えんから」と話すにとどめたが…今回ばかりは亀父の言い分に分があるといえそうだ。