1日にとるべき食事の量を定めている食事摂取基準が、大きく変わる。厚生労働省は3日、朝昼晩で計2千キロカロリーなどとエネルギー量を決めていたのを改め、身長と体重から算出するBMIの目標を示し、それを維持できる量を薦める方針を決めた。個人による体格の違いを反映させ、生活習慣病の予防につなげる目的だ。

 目標とするBMIは18歳~49歳で18・5~24・9と設定。50代以上は下限を上げる。国内外の論文をもとに総死亡率が低い範囲などを検討、年齢が高いほど栄養状態が悪い人の割合が増えることを踏まえた。

 これまでは30、40代で運動量が中くらいの女性は1日2千キロカロリー、18~49歳の同様の男性は2650キロカロリーが必要量とされていたが、高身長の女性や小柄な男性などには対応できなかった。生活習慣病の改善や重症化予防では、体重の減少が推奨されており、病気の可能性がある人にも使える基準にする。

 このほか、食塩の1日の目標量を厳格化。15歳以上の男性は8グラム(現在は9グラム)、女性7グラム(同7・5グラム)とする。

 新たな基準は2015年度から、全国の事業所の社員食堂や保育所などの食事に活用される。(辻外記子)