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遠澤さんのマンションを出たところで、いかにも柄のおよろしくない２人組に声をかけられた。
「あれ？君、うちの試合見に来てたよね？ファン？」
・・・和也先輩と同じサッカー部の人かな？
私は無言で会釈だけして通り過ぎようとした。
「おっと！無視すんなよ！」
左腕を掴まれてしまった。
「人違いです、放してください。」
そう言って振り払おうとしたけれど、もう1人に右腕も掴まれてしまった。
「気取んなよ。誰のギャルだよ。手引きしてやるって言ってんだよ。」
・・・Jリーガーの追っかけを、その選手の名前プラス「ギャル」と呼ぶことは知ってるけど・・・大学サッカーでも言うん？
てか、私、サッカーグルーピーって思われてる？
勘弁してよ。
「けっこうです。興味ありませんから。放してください。」
あれ？
なんか、やばくない？
２人ともニヤニヤと嫌な笑いを浮かべながら、腕だけじゃなく肩も捕獲されてる。
「やっ！放してっ！」
じたばたもがいてると、そのうちの1人が、私の言葉のイントネーションに気づいた。
「へえ？関西弁？・・・佐々木？」
今は違うけど以前は確かにそうだったので、私は否定できなかた。
「佐々木なんだ。あいつ、もう女いるよ～。」
「かわいそ～。せっかく来たのにねえ。」
ベタベタ触られてるだけでも鳥肌が立ちそうに嫌なのに、こいつらの表情も口調も言葉もすごく嫌。
「放してっ！関係ないわっ！ちょっと！やめてよっ！いやーっ！放してーっ！」
私は我慢できず、身をよじりながら大きな声で叫んだ。
「おい！うるさいぞっ！」
サッカー部の寮から別の男性が出てきた。
助けてもらえる、とホッとしたのも束の間、その男は私の制服をジロジロ見て、
「ほら！お嬢様のに体に傷、残すなよ！終わったら俺も呼べよ～。」
そう言いながら、男の１人にスタンガンを渡した。
嘘っ！
「騒ぐなよ。火傷しちゃうよ～。」
スタンガンをバチバチ言わせて、私の腕に近づける。
いやっ！やだっ！やめっ！！！
怖くて、声を発せなくなった私を、２人は両脇から抱え上げて寮へ連れ込んだ。
粗末なベッドに投げつけられるように、放り落とされる。
１人が私の両腕を頭の上で押さえつけ、もう１人が制服のボタンをはずしていく。
私は全身を左右に大きく捻って抵抗した。
「おとなしくしろよ。かわいがってやるから。」
ボタンをはずしていた男が私に馬乗りになってかがみ、首筋を舌を舐め上げた。
「やーっ！」
気持ち悪い！
やめてーっ！やだーっ！
全身に鳥肌が立つ。
「おい、早く脱がせろよ！」
両腕を抱えて押さえつけている男が、私の首筋に舌を這わす男を急かす。
もどかしく制服のブラウスをはだけさせ、ブラを上げられて、両胸をさらけ出されてしまった。
決して大きくはない小ぶりの乳房が、ぶるんっとはじけ出る。
「やだっ！！！触らないでっ！！！」
願いも虚しく、馬乗りになってた男が私の右胸を鷲掴みにした。
「痛いーっ!」
「ごめんごめん。うるさいからつい力が入っちまったよ。気持ちよくしてやるからさー、騒ぐなよ。」
そう言いながら、男は左胸も強く握った。
「やぁっ！」
痛みで涙が浮かんでくる。
「ほーら。」
馬乗りの男が、今度は乳首を舐めた。
「やっ！めっ！い、やっ！」
気持ち悪い。
吐きそう。
何でこんな奴らにやりたい放題されてるの？
絶対いやっ!
私は再び体を捻って逃れようとした。
上半身はがっちりと押さえ込まれているけれど、足は比較的自由だ。
馬乗りの男は夢中で私の乳首を貪っている・・・・あ！
私は保険体育で習った男性の急所の位置を思い出した。
陰嚢の裏側の副睾丸・・・今ならちょうど膝で蹴り上げられるかも。
私は２人に気づかれないように、下半身をよじり、角度と距離を推し量る。
乳首を舌で転がされ、あまりの気持ち悪さに本当に吐き気がしてきたところで、両腕を押さえていた男の顔が近づいてきた。
「やめっ！」
無理矢理唇を押しつけられる。
「んーっ！！！」
口をこじ開けようと舌がドリルのように攻めてくる。
もぅ、限界！
私は、口を開き入りこんできた舌に噛みついて、間髪入れず、逆上がりの要領で膝を思いっきり蹴り上げた。
「ぎゃあっ！！！」
「ぐわっ！！！」
舌を噛まれた男は高い叫び声をあげて口を押さえてる。
そして、副睾丸を蹴り上げられた男は動物のような低い声をあげてうずくまりベッドから転がり落ちた。
私は急いでベッドから降りてその部屋から飛び出そうとした・・・が、２人の尋常じゃない声に、さっきスタンガンを持ってきた男が様子を見に来た。
「なにこれ？お嬢様、とんだじゃじゃ馬じゃん。」
私はむき出しの胸を両手で隠して、入口に立ちふさがった男を睨む。
「どいてっ！」
でも男は、逆に私にゆっくりと近づいてくると、右手を大きく振り上げて打ち下ろした。
バーン！
と、大きな衝撃と音が私の左耳を直撃する。
・・・鼓膜が・・・耳が・・・ぼーっとおかしい。
痛みより、ショックで私は崩れ落ちた。
「手間かけさせんなよ。」
逃げようと思うのに、腰が立たない。
ガクガクと、生まれたての子馬のように、自由にならない両手両足で逃れようとするのだが、あっさり腰を掴まれて引き寄せられた。
「いやっ！」
後ろからガッチリと抱え込まれてしまう。
「おい！病院連れてってやれよ！タマ、やばいぞ。」
舌を噛まれた男が、私を羽交い締めしている男の指示で、急所を押さえてうずくまっている男を抱え起こして、出ていった。
「お嬢様、処女？」
耳にぞわりと嫌な感触が走る。
舌を入れられてるらしい。
「やめて・・・」
「答えろよ！」
耳に激痛が走る。
噛まれたらしい。
痛みに声が出ない・・・けど、肩に血が滴っているのはわかった。
「・・・そうです。」
私はそう答えて奥歯を強く噛みしめた。
口惜しい。
「そっかぁ。おとなしくしてたら、優しくしてやるけどさ～。あんた、何するかわかんないから、縛るよ。」
男の言葉に、私はぞっとした。
「いや・・・」
涙が出てくる。
男は、私の両手を後ろ手に縛った・・・私のブラウスで。
「口も。」
今度はブラジャーをねじって、私の口に噛ませて縛った。
「んーっ！」
声がくぐもって、それ以上出ない。
男は淡々とスカートをまくりあげ、下着をずるっと一気に脱がせた。
やめて・・・
男は、ぐいっと私の両足を自分の肩に担ぎ上げて、膣口に触れた。
「全然濡れてないじゃん。あーあ、これじゃ痛いよ～？」
カチャカチャごそごそと、男がそそり立った自分のモノを出してくる。
「自業自得だな。」
ぐっと、下半身が圧迫される。
裂ける！
痛い！
無理！
声にならない声を挙げて抗議したけど、男は薄笑いを浮かべて、私の中に無理矢理入ってきた。
痛いーっ！！！
ぶちぶちと、中が切れてる気がする。
「きつ・・・」
男がうれしそうに私を穿つ。
痛い・・・いや・・・痛い・・・やめて・・・もう、いや・・・。
助けて・・・助けて・・・誰か・・・
「誰のギャルって言ってた？」
・・・誰のギャルでもないわ・・・
痛みに顔をしかめて唸ってると、
「ま、いいや。リーグ戦始まってるしレギュラーはどうせ帰るの遅いからな。補欠と２軍にかわいがってもらえ。」
そう言って、男は私の首に手をかけた。
何！？
恐怖に目を見張る。
男がくっと笑った。
「別に殺すつもりはないから。頸動脈ちょっと押さえるだけ。やみつきになるぞ。ああ、いくっ！出すぞ！」
やめっ！・・・・く・・・るしいっ・・・・・。
意識が遠のいていく。
白い世界に飲み込まれていく。
消えゆく意識の中で私は、どれだけ助けを求めても誰も助けてくれない絶望に打ちひしがれた。
誰も、私を助けてくれない。
私自身も、守れなかった。

ごめんなさい・・・・恭兄さま・・・。