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被災地で養殖かき出荷最盛期
2月3日 15時50分

東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県沿岸では、養殖かきの水揚げが再開し、出荷が最盛期を迎えています。

震災前、岩手県は養殖かきの水揚げは全国4位でしたが、岩手県によりますと、津波でいかだなどの養殖施設は2972台すべてが流され、壊滅的な被害を受けました。
その後、復旧作業が進み、去年末では73%に当たる2157台で養殖が再開しています。
岩手県沿岸で最も南にある陸前高田市でも震災で1314台のいかだが流されましたが、現在は977台まで回復しました。
しかし、かきは種付けから出荷できる状態になるまで2年程度かかるため、すぐに出荷量は回復できず、陸前高田市の養殖かきの出荷量はこれまでのところ、震災前の5分の1程度にとどまっています。
陸前高田市でかき養殖を営む藤田敦さんも津波ですべての養殖いかだを流され、この2年間は水揚げできるかきはほとんどありませんでした。
震災後に種付けをしたかきが育ち、ようやく今シーズンから出荷できるまでになりましたが、水揚げは震災前の半分にとどまっています。
これは、震災をきっかけに高齢の人が水産業から離れ、人手不足の問題が出ているからです。
かきの水揚げは今、最盛期を迎えていますが、殻をむく人が集まらず、出荷できないため、思うように水揚げができない状態です。
そこで藤田さんが地元の漁港の近くで去年12月から始めたのが「かき小屋」です。
藤田さんは人手不足で殻がむけず、水揚げできないかきを買い取り、提供しています。
ここでは、殻付きのかきを蒸して提供するだけでなく、グラタンやお好み焼きなどかきを使ったさまざまなメニューをそろえていて、訪れた人たちに、より多くのかきを食べてもらうおうと工夫を重ねています。
藤田さんは「かきを買い取ることで漁業者の収入になるし、食べに来てもらってかきの産地として知ってもらえれば岩手県のかき養殖の復興につながるので頑張りたい」と話しています。

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