大阪市長選:連戦 お疲れ維新議員 3年間各選挙に動員
毎日新聞 2014年02月07日 13時12分(最終更新 02月07日 14時48分)
橋下徹大阪市長(大阪維新の会代表)の辞職に伴う出直し市長選に備え、維新は選対本部を6日に設置、態勢作りを急ぐ。ただ、所属地方議員がこの3年間近く、府内外の選挙に駆り出され続け、疲弊しているのも事実だ。野党が対抗馬擁立を見送る可能性もある今回、維新は選挙戦に持ち込もうと必死だ。選挙戦か無投票か−−。多くの所属議員が、複雑な思いで行方を注視している。
「一人ではきめ細かに説明しきれないので、全員が候補者だという思いで共に行動してほしい」。6日夜、橋下氏は大阪市内の維新本部であった全体会議で、約100人の所属議員に呼びかけた。
出直し選への決意を示した1日の全体会議では、「信を問うのは来年の統一地方選でいい」と慎重意見も相次ぐ中、橋下氏が「組織としてでなく、個人としてやる」と訴え、了承された。
ある議員は「個人として戦うから、手伝わなくていいだろう」と受け止めた。しかし、別の議員は「そうは言っても、実際には組織選挙になるので大変だ」と懸念しており、結果はその通りになった。松井一郎大阪府知事(維新幹事長)が選対本部長に就き、大阪維新が橋下氏を公認する。
多くが2011年4月の統一地方選で誕生した地方議員たち。以来、同年11月の大阪市長・府知事ダブル選を戦って圧勝し、国政進出した12年12月の衆院選では全国各地に派遣された。さらに13年、大阪府柏原市長選(2月)▽兵庫県伊丹市長・宝塚市長選(4月)▽東京都議選(6月)▽参院選(7月)▽堺市長選(9月)−−と選挙を続けた。
最近は結果を伴わない選挙も増え、ある府議は「選挙、選挙でみんな疲れて、『また選挙か』と感覚がまひして動かなかった」と、敗北した堺市長選を振り返る。別の議員も来年の統一選を控えるなか、「府外の選挙も手伝わされ、自分の地元回りができていない」と悲鳴を上げている。
行き詰まった大阪都構想の協議を打開するために踏み切る出直し選だが、不満がくすぶる地方議員の結束を保てるかも、大きな課題となりそうだ。【茶谷亮、熊谷豪】