◇「そそのかし」で有罪
原子力発電所から3キロほど離れた集落で、自動車修理業を営む自治会長の加藤拓郎(57)は、住民のために原発事故対策を再確認したいと考えた。再稼働が迫っていたからだ。
福島では、地下の非常用ディーゼル発電機が津波で水没して大事故を招いた。「ここではどこにあるのだろう」。電力会社に問い合わせたが「セキュリティー上の理由」で教えてもらえず、県や市の担当者も「電力会社に聞いてほしい」と言うばかりだった。
話が進まない中、高校時代の剣道部の後輩で、地元警察署長に着任したばかりの佐川淳彦(55)の顔が浮かんだ。仕事上、警察との付き合いはある。あいさつに行った時、栄転に高揚した表情の佐川は「原発テロ対策が大変ですよ」と話していた。加藤は佐川の携帯電話を鳴らした。
「原発の非常用発電機は津波にやられない場所にあるのかな」
「……それね、言えないんですよ」
「どうして?」
「ほら、新しくできた法律がありますよね。特定秘密の。警備の関係で微妙なところもありまして……」
納得いかない加藤は、支援する市議や面識のあった地元紙の鈴木幸恵記者(38)に問い合わせ、市民団体の勉強会にも参加して情報収集に努めた。しかし、非常用発電機の位置については分からないまま。
一方、鈴木記者は加藤の奮闘を記事にして問題提起しようと考えた。だが、取材の壁も厚かった。旧知の市幹部は「それはほら、これになったから」と、口にチャックする仕草をしてみせた。
加藤は佐川署長を居酒屋に呼び出し、再び切り込んだ。
「どうして住民が知らされないんだ。真っ先に危なくなるのは俺たちだ。おかしいだろう。教えろ」
気持ちが高ぶった加藤は思わずバン、とテーブルをたたいた。ビールのコップが床に落ちて割れた。
「おっしゃる通りです。でも、私の立場も分かってください」。佐川はしばらく沈黙した後、こう付け加えた。「加藤さん、反原発の集会に出たりしてませんか。気をつけたほうがいいですよ」
加藤がテロ防止に関する特定秘密の漏えいを「そそのかした」として、特定秘密保護法違反(教唆)容疑で逮捕されたのは、その数日後だった。県警本部の公安部門が加藤の行動を監視していたのだった。家宅捜索で携帯電話やパソコンを押収され、送受信記録の残っていた市議、市民団体幹部らも軒並み事情聴取を受けた。佐川は不定期異動で署長を外され依願退職した。
鈴木記者も「念のため」と事情聴取され、捜査員に「加藤と共謀したのでは」と繰り返し尋ねられた。立件はされなかったが、夫と息子が心配する様子を見て、再び同じような取材をする気になれないでいる
http://mainichi.jp/shimen/news/20131110ddm010010003000c.html
反特定秘密保護法案のプロパガンダの為のフィクションですから、内容はどうでも良いと言えばそれまでです。
しかしワタシは特定秘密保護法案に関係なく、毎日新聞の原発への知識の無さに驚きました。
幾らフィクションでもこんな小説を書くのを見ていると、毎日新聞は現在普通に公開されている原発情報を全く見ていないか、或は見ていても全く理解できないかどちらかです。
原発に関する毎日新聞の記事はどう考えてもマトモじゃない、頓珍漢な物ばかりなので、ヘンだヘンだとは思っていたのですが、記者のレベルが余りに低すぎたのです。
> 福島では、地下の非常用ディーゼル発電機が津波で水没して大事故を招いた。「ここではどこにあるのだろう」。電力会社に問い合わせたが「セキュリティー上の理由」で教えてもらえず、県や市の担当者も「電力会社に聞いてほしい」と言うばかりだった。
??
現在日本に在る原発の非常用電源はずうっと前から全部公開されています。
この数年セキュリティーチェックが少し厳しくなりましたが、それまでは何でも公開使用が原則でした。 現在でも見学会などに行くと、主な施設を見学させてくれます。
以前は見学者が自由に写真を撮る事もできましたが、さすがに最近は写真撮影は禁止になりました。
ちなみにワタシは昨年北電泊原発の見学会に行きました。(また原発見物)
リンク先で読んでもらえばわかりますが、一般見学者にこれまでの非常用電源も、福島第一原発事故以降の新規に設置された非常用電源も見せて貰いました。
この見学会は毎年北電が一般の人を相手に募集している物で、参加費1500円です。
札幌からチャーターバスで泊原発へ行くのですが、お弁当とサクランボ狩りがついています。
ワタシは妹とサクランボ狩りが目的で参加したのですが、そんな見学会でも原発に関する説明はちゃんとしてくれました。
既に一般に公開されている情報を公開されているって知らない新聞記者って何でしょうか?
毎日新聞の記者の取材って、サクランボ目当てに見学会に行ったオバチャン以下なのでしょうか?
それとも毎日新聞の記者は一般に公開されている非常用電源以外の電源もあると想定しているのでしょうか?
もしそうだったら一般市民にその非常用電源を公開しろと言う非常識に驚きます。
一般公開している非常用電源は津波や地震などの天災による事故を想定しています。 しかし一般公開をしない非常用電源を用意しているとしたら?
これはもうテロ用でしょう。
本当に天災が起きて、事故用の非常用電源が作動している時に、そこをテロリストに襲われたら?
事故の最中ならセキュリティーチェックどころではないし、非常用電源は幾つもあるのですが、当然ですがいずれもそんなに巨大な設備ではないので、テロリストとしては破壊しやすいと思います。
それを思えば、対テロ用非常用電源を作り、それを機密にするのは大変良い事です。
で、その場所を必死に知りたがる人間がいれば?
国民の安全の為にはそんな奴は是非ともしょっ引いて下さい!!
としか言いようがありません。
そもそも毎日新聞の創作した加藤拓郎氏って非常用電源の位置を知って何をしようと言うのでしょうね?
ワタシの原発見物のリンク先で紹介したように、福島第一原発事故以降、国は原発の安全対策を強化しました。
それでどの原発も非常用電源を追加で作り、更に泊原発など電力が無くても冷却水を送れるように、原発の後背地にある山の上に巨大な貯水槽を作ろうとしているのです。
そう言う状況で市民が原発の非常用電源の位置に執着するとしたら、テロリストの仲間と思われて当然ではありませんか?
ちなみに毎日新聞は原発の再稼働を迷信的に恐れているようです。
しかし原発は再稼働しようが、このまま停止状態であろうが、安全性は全く変わりません。
現在日本で停止中の原発は皆、福島第一原発が地震の直後緊急停止したのと同じ状態なのです。
福島第一原発は地震が起きた直後、見事に緊急停止しました。 非常用電源も直ぐに稼働して、崩壊熱の冷却もできていました。
けれどその後に津波が襲って、この非常用電源と冷却水の取水施設を根こそぎ破壊したので、事故になったのです。
それを考えれば、原発を停止させていても、非常用電源と冷却水の給水が止まれば、事故は起きます。
燃料棒がある限り、崩壊熱は出続けます。
だから原子炉から燃料棒を抜いても無駄です。
原子炉が稼働中と停止中の違いは、稼働中なら電力を供給できるけれど、停止中では電力を消費するばかりだと言う事だけです。
けれど迷信と妄想の新聞記者にはこれが理解できないようです。
だから彼等は闇雲に「再稼働、危険ニダ!!!」と喚き続けるのです。
それにしてもこんな妄想小説で購読料を取るって、酷すぎませんか?