少数派が多数派を永遠に押さえ込める憲法96条のどこが正当なのか

2013-05-11_1334-96営業マンだった頃「政治と宗教の話はするな」ときつく言われた@web_shufuです。しかし、今回はあえて憲法96条について書きます。何で正当なのか良くわからないので、教えて欲しい気分です。

発端

このご意見に違和感があったので質問してみました。

私のような暇人主夫の対応していただいた@phantomloversさんには感謝しております。

しかしながら、@phantomloversさんのお考えには全くと言っていいほど、納得できませんでした。

集合住宅や株式会社と国家を同列には出来ない

まず、マンションの管理組合の規約や株式会社の定款に、変更に特別多数を要する項目があることを引き合いに出されて、憲法96条を正当化する説明を受けました。

もちろん全く同意できません。集合住宅や株式会社と国家を同列に論じることに無理があります。

私の考えは以下の通りです。

集合住宅や株式会社での特別多数は正当です、確かに

集合住宅や株式会社では、メンバーになるときに、以下の条件を満たす手続を踏んでいます。

  • 規約の内容に納得したうえで
  • 何ら強制されること無く
  • 自らの意思で
  • 規約の遵守を誓約

だから、規約改正派が多数になっても規約が改正されずに、逆に少数の規約現状維持派が多数の改正論をねじ伏せる事態になったとしても筋が通っています。

改正派に落ち度がある

改正派は、何ら強制されること無く自らの意思で行った「規約を守る」という約束を反故にしようとしているわけで、ある意味落ち度があります。

現状維持派が「規約が気に入らなければ出て行け」と改正派に言ったとしても筋は通っています。

したがって、このような場合に改正に特別多数を要求することは筋が通っています。

たしかに、特別多数を要求する決議はその時点のメンバーの意思を反映しているとは言えないですが、メンバーになるときに「規約の内容に納得したうえで規約の遵守を誓約」する明確な手続があって離脱も自由な集団においては、それでも合理的です。

憲法改正に特別多数を要する96条は不当

ところで、憲法は、集合住宅の規約や株式会社の定款とは全く違います。

日本国民の大半は、日本国民になる時に、以下のような手続は踏んでいません。

  • 憲法の内容に納得したうえで
  • 何ら強制されること無く
  • 自らの意思で
  • 憲法の遵守を誓約

さらに、日本で生まれ生まれた瞬間から日本国民である者にとって、日本国籍からの離脱は、集合住宅や株式会社からの離脱に比べて著しく自由度が低いです。

日本国民は、「メンバーになるときに『憲法の内容に納得した上で憲法の遵守を誓約』する明確な手続があって離脱も自由な集団」ではないのです。

改憲派には落ち度がない

つまり、憲法改正論者には、約束を反故にしたというような落ち度は全くありません。

全く落ち度の無い憲法改正論者に向かって「憲法気に入らないなら国を出ろ」なんて言うわけにも行きません。

したがって、改憲に対して特別多数を要求するのは筋が通りません。

それであれば、改正の発議に特別多数を求め、改正派が半数を超えて2/3に満たない場合において、何の落ち度も無い改正派の意思が無視され続ける可能性を生み出している96条は、いち早く改正されるべきだと思います。

96条は国民主権と矛盾する

96条は、少数派が多数派を永遠に押さえ込めることを可能にしている点で、国民主権とも矛盾しています。

この点についてはまた別の記事で。



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少数派が多数派を永遠に押さえ込める憲法96条のどこが正当なのか」への12件のフィードバック

  1. ウェブシュフ

    @gold_sf 反応が早いとすれば、それは私がネットに巣食う「馬鹿と暇人」だからです。96条の件はこちらの記事にもかいてみました。突っ込みどころ満載ですので、よろしければお読みください。 http://t.co/XvdpXO3YJB

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