駐英中国大使:安倍首相を批判…日本大使館幹部は反論

毎日新聞 2014年02月06日 11時23分(最終更新 02月06日 11時35分)

 【ロンドン坂井隆之】英国の代表的シンクタンク「王立国際問題研究所」で5日開かれたイベントで、講演した駐英中国大使が安倍晋三首相の歴史認識などを厳しく非難し、聴衆側にいた日本大使館幹部が強く反論する一幕があった。日中の大使が地元紙に寄稿して互いを批判する事例が世界各地で相次ぐ中、「場外」の舌戦もエスカレートしている。

 中国の劉暁明大使は、安倍首相が日中関係を第一次世界大戦前の英独関係になぞらえた発言を取りあげ、「動機を疑わなければならない」と指摘。「安倍(首相)は日本の侵略の過去の否定に露骨に取り組んでおり、アジアの最大の不安定要因になっている」と決めつけた。

 これに対し、会場との質疑応答で日本大使館の公使が「批判は根本的に事実と異なっている。中国はどれほど国際法や人権、民主主義を守っているのか」と反論。他の参加者からは中国の軍事費拡大を懸念する指摘や、日中首脳のホットライン設置を求める声などが出された。

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