最終回はふたりの結婚論。19歳から結婚願望があったという大島さんですが、昨年はまったくプライベートの記憶がなく、恋愛は「ぽんと舞い降りてくれば」いいというアイドルらしい発言。秋元さんに「僕に懺悔(ざんげ)することは」という質問に、どう答えるかというと……。

 秋元康:優子はまだ結婚しないの?

大島優子:結婚願望はあります。19歳のときからずっと。

秋元:じゃあ、一回結婚するのもいいんじゃない?

大島:一回ってどういうことですか(笑)。

秋元:優子は結婚しても仕事をするだろうけど、そのほうが生命力があふれていて魅力的な気がする。妻であり、母親であり、女優であるというバイタリティーあふれる大島優子をちょっと見てみたい。

大島:私はそれができる気がします。でも私、すごく面倒くさいですよ。自分自身といま付き合ってることが面倒くさい。

秋元:面倒くさいだろうなと思うよ(笑)。

大島:人はもっと面倒くさいだろうと思います。気持ちとか思っていることとかを、隠しますからね。あんまり発言しないし、干渉もしないし。

秋元:彼が「今日は早く帰ってごはん食べよう」って言ってたのに、全く帰ってこない。そういうときに「何やってたの?」と言わないんだ?

大島:言わないです。

秋元:楽だねえ(笑)。彼が浮気してもいい?

大島:ばれなければ。ばれたときには絶対許しません(笑)。でも、モテるってことは、その人が魅力的だってこと。いろんな人から声をかけていただくことは、やっぱり職業柄大切なことだと思う。

秋元:そうだよ。職業=モテること。ある日、誰か現れるかもしれないな。

大島:すごく楽しみです。合う人はなかなか現れないかもしれないけど、25歳から30歳の間でしたいな、結婚。

秋元:いや、しないな。

大島:どうしてそう言い切れるんですか! あれ、秋元さんは何歳で結婚したんでしたっけ?

秋元:かみさん? 21歳。

大島:若い! なんで、しようと思ったんですか?

秋元:タイミングじゃないの?

大島:なんでそんな他人事なんですか(笑)。21歳で結婚か。考えられなかったな。私はAKB48をやってたから。

秋元:彼女には仕事をするか、新しい生活をするか、どっちかしかなかったんじゃないかな。優子みたいに両方やるパワーはなかったんだ、きっと。

大島:でも両方やるパワーがあると、どうしても強くなりすぎちゃうじゃないですか。隙がなくて。

秋元:それだよ、心配するのは。

大島:すっごく心配。

秋元:25歳から30歳で結婚したら、もっと強くなるって。

大島:え、逆じゃないですか?

秋元:違う違う。30歳までに結婚すると、優子の性格からいって、妻としても母親としても女優としてもちゃんとやる。そうすると上腕二頭筋が強くなってパワーがみなぎりすぎる。

大島:逆だと思ってた。

秋元:今回特別編集長をしたアエラ(1月13日号)のテーマは「無理を超えろ」なんだよ。無理かなと思うものを乗り越えたときに、人はぐっと伸びる。今までで、どんな無理をした?

大島:なんだろう。わからない。

秋元:僕から見ていると、大島優子の無理は、8年もAKB48を続けたことだと思う。

大島:そうなんですか? でも、そうかもしれない。1年くらいでAKB48をやめて、何か違う仕事をするんだろうなって思ってた。まさか続くとは思わなかった。たぶん自然と無理してるんです。だからわからないんですね。いろんな無理をしてきたけど、そのことに気付かなかったのは、自分のキャパシティーがそのたびに大きくなったからだと思います。

秋元:この対談が載る時には、もう2014年になっている。どういう年になりそう?

大島:お仕事は、毎年違う形ですけど、充実してるんです。しっかりと場数を踏めていると感じているので、お仕事の面では不安はないです。その代わり、13年はプライベートについての記憶が全くない。14年は、もうちょっとプライベートを充実させたいです。

秋元:大恋愛がしたいんじゃないの?

大島:そういうことじゃないんです。

秋元:しないの?

大島:はい。

秋元:なに、優子は恋愛しないの?

大島:恋愛はしたいと思いますよ。でもまあ、ぽんと舞い降りてくればいいや、みたいな感じ。そういう時期ではない気もするし。

秋元:いまAKB48でびっしりとスケジュールが埋まっているから、そう考えるんだよ。AKB48の仕事を少しずつ減らしていくと、いろんなものがしみだしてくるんだって。

大島:いまは余裕がなくて。

秋元:じゃあ最後に、この8年間を振り返って僕に懺悔(ざんげ)することはない?

大島:う~ん。あ、あります。

秋元:なに?

大島:秋元さんは、AKBのメンバーのことを絶対に把握してないと思ってたんですよ。予想、推測で言ってるだけだろうなって。見くびってました(笑)。でもようやく、秋元さんはやっぱり見てるって気づきました。

秋元:いい終わり方でよかったよ。「実は私、あの時は実家に帰るって言ってましたけど、ほんとは違ってたんです」とか言われるのかと思ってた。

大島:ハハハ。