やってますね〜、朝日さん。温家宝問題に続いて、国民投票法案問題でも突っ走りまくってます。まずはこの記事をざっと読んでいただきたい。
改憲の道「なぜ急ぐ」 国民投票法案(朝日さん 07.04.14)
憲法改正手続きを定める国民投票法案が、衆院を通過した。改憲を参院選の争点にしようと図る安倍内閣にとって、 法案はその地ならしの意味を持つ。専門家は審議の拙速を批判し、原爆や空襲を経験した被害者らは「あきらめてはいけない」と声を上げた。
◇被爆者ら講義
「国民投票法案 安倍さんどうしてそんなに急いで採決するの?」。長崎市の平和公園。9日正午過ぎ、 約50人がこんな横断幕を広げて座り込んだ。82年から、原爆の日の8月を除いて毎月9日に行われている「反核9の日座り込み」。 この日で311回目だった。
列の中に、長崎市の元小学教諭で被爆者の元山寿恵子さん(76)がいた。10年ほど前から、ほぼ毎月参加している。 00年に設立した市民団体「活憲21ながさき」の代表。
原点には被爆体験がある。爆心地から約2・4キロの自宅で被爆。一緒にいた姉は無事だったが、母親は耳に大けが。 姉の夫は勤務先で爆死し、同級生も失った。
60年前、憲法ができた時の喜びを今も覚えている。「これで戦争はなくなるんだ」。自由にものが言える喜びも感じた。
座り込みが何になるのか、という人もいる。しかし、たとえ国民投票になっても9条を守るために、頑張れるだけ頑張るつもりだ。
広島市でも13日正午すぎ、被爆者や労働組合関係者らでつくる広島県原水禁のメンバー75人が、原爆ドーム前に集結。 抗議の座り込みをした。
23年前からドームの水彩画を描き続けている原広司さん(75)も、座り込みに加わった。 この日朝から1905枚目のドームの絵を描き上げた。「ドームはいつもより暗く、寂しい表情だった」
原爆投下時は現・江田島市の親類宅にいて無事だったが、翌日に広島市内に入って被爆した。 同学年のいとこや学校の友人の多くを亡くした。自身も戦後、大腸がんなどに苦しんできた。高校生から小学生まで5人の孫がいる。 「終戦からたった六十数年。なのに、戦争ができる国に着々と変わろうとしているように見える。孫たちに同じ思いをさせたくない」
作家の早乙女勝元さん(75)は国民投票法案を通した与党の最大の狙いは、9条の改変だと考えている。
12歳で東京大空襲に遭った。一晩で約10万人が死んだ。作品や講演で体験を語り継ぎ、02年に民間募金で設立された 「東京大空襲・戦災資料センター」の館長に就いた。
憲法改正は再び戦争への道につながる、としか早乙女さんには思えない。「私たちは過去の戦争犠牲者と、 今の子どもたちの声なき声に耳を傾け続けなければいけない」と語った。
◇推進派からも異議
国民投票法の制定を主張してきた市民グループ「国民投票/住民投票情報室」(村西俊雄代表)は、 衆院憲法調査特別委員会で与党修正案が可決された12日夜、異議を唱える見解を発表した。
「合理性に富むルール設定が全会一致でなされることを期待したが、選挙などを意識した政党幹部の言動により、 与党のみの採決となったことは極めて残念だ」と批判。内容についても 「公務員が主権者として原則自由に国民投票キャンペーンに参加できることを保障するべきだ。参院で修正され、 衆院に差し戻されて再可決されることを立法府に求める」としている。
あえてどこにも色をつけなかったが、メディアリテラシーを高めるために、ここで問題。この記事におかしな点はないだろうか?
答え: タイトルと中身が一致していない (文字を反転させている)
※「抗議」と書きたいところが「講義」になっているが、そういう方面のツッコミは他の方にお任せしております。そんなネタでこんなに長い文章を書くつもりはありませんから(笑)。
タイトルを読む限りは、「国民投票法案を急いで可決させる必要はない」 という記事に思えるが、中身は「憲法9条を守りたい」って… 失笑を通り越して、面白すぎだよ!
ここでお兄さん(かどうかは微妙だが)と一緒に社会科のお勉強をしていこう! 「国民投票法案」とは、憲法改正の手続きとしての、国民投票の方法を定めた法案なんだ。こういう手続きを定めることは、憲法96条にのっとった、れっきとした「正しい」手続きである。中学校の公民で習ったよね?ゆとり教育世代は、もしかしたら習っていないかも知れないので、ここに貼り付けておこう。
日本国憲法第96条 この憲法の改正は、 各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、 特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
なんと、今までの日本には、この憲法第96条でしっかりと明記されている、憲法を改正する際の手続きを定める法律がなかったんだ。これを、読売や産経の社説では「不作為(やらなければならないことをあえてしないという、 悪いこと)」という表現を使って表している。知っておくと便利な言葉だね。
ところが、こんな「悪いこと」をやってきたのは、何と!さんざん「憲法を守れ!」と言い続けてきた社民党(以前は社会党)や共産党だったんだ。おかしいね〜?
日本国憲法の基本理念(一番大事なこと)は、これも社会科で習ったように、
・国民主権
だよね。つまり、国民が法律や社会制度を決める「最終的な権利を持っている」 、簡単に言えば「一人一人の国民が一番偉い!」ってことだ。それにもかかわらず、今でも、どれだけ国民が望もうとも、この国民投票をやることができないんだよ(この法案はまだ参議院での審議や採決が残っているから、最終的には成立していないんだ)。
おかしいね〜?「国民主権」のはずなのに、今でも、国民は、憲法を絶対に変えられないんだ。
・憲法96条に、憲法を変えるための条件を示しているにもかかわらず、
・憲法のどこにも、「国民は憲法を変えてはいけない」などと書いていないにもかかわらずだ。
こんな、「憲法の精神を守らない」ひどいことをしてきたのは、表向きはいつも「憲法を守れ!」と言い続けている社民党(以前の社会党)や共産党なんだ。おかしいと思わないかい?
そう!ここに、最初に引用した朝日さんの記事にも共通する、うわべだけの「護憲派(憲法を守ろうとする人々)」の、ヒミツの考え方が隠されているんだ。
それは何かって?それはね…社民党や共産党を始めとする、「護憲派」の人たちは、
こんな法律を作ると、絶対に国民は憲法を悪く変えるだろうから、こんな法律は作らない方がいい!
と心底から思っているからなんだ。おもしろいね〜。そういう自信って、どこから来るんだろうね〜?
・日本国憲法は大切だ!
・国民主権の考え方は大切だ!
と、日々叫んでいるはずの「護憲派」の人たちは、実は国民の判断を徹底的に疑っているんだよ。護憲派である自分たちの考え方は絶対に正しい。彼らは、「国民投票で憲法を変えようとする「多数派の国民」は、憲法を変えようとするのだからバカだ!」って考えているんだね〜。 変えるとしたら、どう変えるかという「中身」の方がはるかに重要なはずなのに、彼らは「そもそも変えようとするのだからバカだ」と考えているんだ。ここも、 とってもとっても不思議な点だね。
日本は、「民主主義」の国なのだから、議論した結果として、国民の多数派がある決断を下したら、それに従わなければならない国なんだ。何が「正しい」かなんて、人によって違うし、時代によっても変わってくる。だから、あくまでも「仕方のないこと」として、最終的に多数決をするんだ。だから、今の多数派が、自分の意見と違うときは、一生懸命に、その多数派を「説得」しなければならないはずなのに、今の大人たちは、「今の多数派はバカだ!」と平気で言ったりするんだね。それが「負け惜しみ」にすぎないどころか「民主主義の否定」であることもわからずにね。
だから、「国民の中で、ある人々(もしくは、ある思想を持つ人々)だけが『正しい』判断を下す能力があり、その他の『多数派』はバカなんだ」という考え方は、「少数意見を大切にしろ」という言い方を借りた「民主主義の否定」なのであって、民主主義が大切だと思っている人は、絶対に言ってはいけない言葉なんだね。(※)
君たちのクラスでも、ある人、や5人くらいからなるグループが
「オレ(たち)の考え方がいつも正しいんだから、クラスのルールを決めるときに、必ずオレ(たち)の決定に従えよ。 多数決なんてしたら、必ず「まちがった決定」になっちゃうんだから、そもそも多数決なんかやらないぜ!」
なんて言ってきたら、どう思う?そりゃあ頭に来るよね?「民主主義を守れ!」って叫びたくなるよね?こういうグループは、民主主義を破壊しようとする、実に危険な連中なんだ。
これと同じことを、社民党や共産党を始めとする、「護憲派」と言われる人たちは、長い間やってきたんだ。国民主権や民主主義を守れ!と言い続けてきた連中が、実は国民主権や民主主義を、 最も軽く考えている連中だったってわけだね。
ここまでわかってから、冒頭の朝日さんの記事をもう一度読んでみよう。あれ?不思議だね。今度はとってもスラスラと読めるでしょ?そうなんだ。こういう記事は、「憲法を変えようとする連中はバカだ!」と思って読むと、何もおかしくない記事に読めてしまうんだ。
そう。朝日新聞さんも、「憲法を変えようとする連中はバカだ!」って思っているんだね。これだけ大きな新聞社が、これだけ国民をバカにしているって、ちょっと信じられないよね。でも、これだけ国民をバカにしている新聞社は、全国紙の中では朝日さんがチャンピオンだから、その点だけは安心してね。信じられないのなら、インターネットで、他の新聞社の記事も調べてみるといいよ。あ、中日新聞とか北海道新聞あたりは、朝日新聞さんよりもっともっと激しく国民をバカにしていることがあるけど、全国紙じゃないからね。そこは気をつけてね(笑)。
正しい道筋で「憲法を変えたくない」と思っているのなら、訴えるべき相手は国会議員ではなく、「主権」を持っている、私たち「国民」でなければならないはずだね。にもかかわらず、彼らは、「これこれこういう理由で憲法を変えてはならない」と訴えるのではなく、「とにかく結果として憲法が変わらなければいい」ように、ありとあらゆる手を尽くすんだ。今回のように、いかにも強制的にこの法律が採決されたかのように見せかけるために、採決のときのマイクを奪ったり、議場で叫んだりすることで、「悪い人が憲法を変えようとしている!」というイメージを作ってみたり、冒頭のような新聞記事を書くことで、 いかにも「国民投票法案を作ろうとする人々は悪人だ」という印象を、私たちに刷り込もうとするのも、その一つなんだ。
だから、「憲法なんてしらなーい」とか思っていると、こういう「悪い人々」に、どんどんだまされていっちゃうぞ。気づいてみたら、知らない言葉を話す、いつも怒っているいや〜な人の言うことを強制的に聞かなきゃいけないってことにもなりかねない。そうならないですむように、ことあるごとに
・民主主義とは何か
・国民主権とは何か
・法律とはどのように作られるのか
ということを考え続ける習慣を、ぜひ身につけようね。それは、クラスの学級会での「決め方の正しさ」について考えるということと全く同じなんだ。20歳を過ぎている人は、「選挙で投票する」という行為は、「法律を決める人を決めるきわめて重要な行動なんだ」ということを忘れちゃダメだよ。そこを軽く見ると、いつ、知らない言葉を話す、いつも怒っているいや〜な人の言うことを強制的に聞かなきゃいけない国になるかもわからないし、そもそも、日本なんていう国さえなくなっちゃうかも知れないからね。
(キーンコーンカーンコ〜〜ン♪) きりーつ! れい!!
いやー、完全に「対子ども的口調」になってしまった。こういうことを教えてくれる社会科の先生は、小中高大全て合わせて、現場にどのくらいいるのだろうか。そこがかなり心配だったりする。私は社会科担当ではないから、これを読んである意味で焦った人は安心してほしい(何を?)。実際の教育現場には、朝日さんやきっこみたいなことを平気で言う教師の方がはるかに多いんだろうなぁ…。やばすぎるよ。
ちなみに、こんな朝日さんが、「しゃかぽん」なる子ども向けの本を発行している。この事実も、恐ろしすぎる。
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(※)あれ?似たような言い方をしているブログがあったねー。 「東京都民の多数派はバカだ!」と言っているブログが。こういう人たちって、自分がどれだけ「絶対に正しい」と思っているんだろうねー?「バカなユダヤ人は皆殺しにしろ!」と言っていたナチスそっくりだよね。歴史から学べない人たちって、ホントに怖いよね。絶対にマネしちゃダメだよ?
当ブログ参考記事 2007都知事選に思う(5) 負け犬きっこの発言でわかる「護憲パラノイア」的発想
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