投球練習で汗を流す館山=沖縄・浦添運動公園で(戸田泰雅撮影)
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右肘手術から復帰を目指すヤクルトの館山昌平投手(32)が6日、沖縄・浦添キャンプで3度目のブルペン入りし、今キャンプでチーム最多の110球を投げた。「11日の打撃投手にむけて、今日は100球以上をクリアしておきたかったので良かった。予定通り順調に来ている」と納得の表情だ。
初日から捕手を座らせ80球投げると、3日目に70球、中2日で110球と、黙々と自分の決めたスケジュール通りにこなしていく。昨年4月12日に、自身2度目の靱帯(じんたい)再建手術、6月に股関節の関節唇損傷の修復手術を行い、大学時代から数えて計6度、体にメスを入れてきた満身創痍(そうい)の鉄人が、不死鳥のごとくよみがえってきた。
リハビリも野球人生の一部とばかりに独自のコンディショニングチームを抱え、着実に階段を上ってきた。自身も故障と闘ってきた伊藤投手コーチでさえ「計画を立ててきちんとそれに合わせてくる。あのストイックさはすごい。なかなかまねできるものではない」と舌を巻くくらいだ。
この日のブルペンでも館山流。シーズン中試合前の投球練習通り(1)外スライダー(2)内スライダー(3)内シュート(4)内直球(5)外フォーク(6)内シンカー(7)外カット(8)外直球(9)内チェンジアップ(10)外チェンジアップを、それぞれ5球ずつ50球。その後は2度のインターバルを挟み30球ずつで計110球。インターバルを置くのは実戦を想定してのこと。「試合前準備して2イニング分ということなので、先発しての100球とは意味が違う」とあくまでも冷静だ。
何度手術しても年間2桁勝利を挙げてきた実績があるだけに、小川監督も伊藤コーチも、手術から1年未満であっても「開幕投手候補の1人」とキッパリ。信頼は揺るぎない。 (竹村和佳子)
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