打撃練習を終え、笑顔で言葉を交わす打撃投手を務めた松井臨時コーチ(左)と村田=宮崎県総合運動公園で(沢田将人撮影)
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4番道の一端を伝授した。巨人の松井秀喜臨時コーチ(39)が6日、村田修一内野手(33)の居残り特打で打撃投手を務め、後継者としての実力を認めた。終了後は打席での心構えを説き、巨人の第62代4番から第76代4番へ奥義を直伝した。
今キャンプで初めて雨にたたられたこの日、松井コーチは1軍と2軍の室内練習場を頻繁に行き来した。身ぶり手ぶりで打撃論議に花を咲かせるのは、もっぱら第58代4番の岡崎郁2軍監督(52)ら指導陣相手。選手でこの日初めて直接指導したのが村田だった。
打撃投手としては寒さで手がかじかんだのか、第1クールよりもボール球が多く、「ちょっとコントロールが乱れた」と反省。今キャンプ最多となる152球を投げ、「広角に力強い打球を打てる素晴らしい打者」と村田を高く評価した。
練習後の会話については「4番とか、そんな話はしていない」とはぐらかしたが、「打席で他のことを考えることなく、狙ったボールを打つことが大事」と伝えた。打撃結果がチームの勝敗に直結する4番に対し、相手チームはあの手この手で崩そうとしてくる。それに惑わされず、集中して結果を残すのが4番の務めということだ。
村田は「考え方はシンプル。同じようなことを考えていた」と自信を深めた。先達が真っ先に授けたのは打撃技術よりも、4番道の根幹を成す心のありようだった。 (小林孝一郎)
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