そうしたごまかしは見る人を引きつける手段としては許せるが、裏切り寝返り、約束のいとも簡単な反故など、今日の倫理観から見て、おどろおどろしいばかりである。そうした言行は昔も今も変わらないようで、前大統領、そして現大統領の言動もそうしたものの1つでしかないのであろう。
おわりに
安倍晋三首相はことあるごとに「日本は韓国と価値観を同じくするので・・・」と言う。それは北朝鮮と対峙する韓国という視点でとらえた場合に言えることであるが、日本や米国と同列には置けないことは明瞭である。
大陸における防波堤という戦略的視点、そして自由・民主主義、資本主義国家としての価値観を有する観点から米韓は同盟を結んでいるが、近年の中国寄りとも見られる動きに米国は懸念を表明している。
南スーダンの韓国軍が緊急事態に直面して自衛隊に弾薬の補填を依頼してきたように、現場では目的を一にし意志を共有するにしても、基本的には国家対国家の在り方を正常化しなければならない。
現大統領の告げ口外交は、国家としての価値観の違いを思わせ、相互信頼に基づく自由の砦となり得るか、限りなく疑わせるものになっている。