2012年にソウルの日本大使館に火炎瓶を投げつけて韓国で服役し、靖国神社への放火も供述していた中国人、劉強・元受刑者(39)ら3人が5日、広東省広州の日本総領事館前で抗議活動をしようとし、地元警察当局に阻止された。

 元受刑者と男女2人が午後3時半ごろ、総領事館が入るホテルの前で「中国よ、立ち上がれ」などと書いた横断幕を広げ、スピーカーを準備し始めた。直後に取り囲んだ警察官の説得を受け、3人はその場を離れた。元受刑者は5日付の香港紙で活動を予告していた。総領事館は休みで、大きな混乱は無かった。

 元受刑者は「昨年の安倍晋三首相の靖国神社参拝に抗議したいと思って来た。今年は日清戦争から120年。来月から毎週来たい」と話した。

 元受刑者を巡っては、日本政府が犯罪人引き渡し条約に基づいて韓国政府に引き渡しを求めたが、韓国高裁は13年に「(靖国放火は)政治犯罪だ」として引き渡さないことを決定。韓国政府が元容疑者を中国に送還し、日本政府が抗議していた。(広州=小山謙太郎)

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