2014年2月7日09時20分
iPS(人工多能性幹)細胞の作製効率を、卵子のたんぱく質を導入することで20倍に上げる手法を理化学研究所の石井俊輔上席研究員(分子生物学)らがマウスで開発した。卵子の成分には細胞の初期化を促す働きがあるらしい。6日付の米科学誌セル・ステムセルに発表する。
グループが注目したのは、細胞内でDNAが巻き付いている「ヒストン」と呼ばれるたんぱく質。山中伸弥京都大教授は四つの遺伝子を細胞に導入することでiPS細胞を作ったが、今回、グループはこの4遺伝子とともに、卵子に特有な構造をした2種類のヒストンを導入したところ、作製効率が20倍に上がった。
このヒストンは、初期化に必要な遺伝子の発現を活発にするらしい。このヒストンが機能しないように遺伝子操作すると、マウスの半分は育つ前に死んだという。
石井さんは「ヒトも同じような仕組みを持っている。より高い多能性を持つiPS細胞の作製につながる可能性がある」としている。
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