生理痛薬:「ヤーズ配合錠」副作用で3人死亡 厚労省発表
毎日新聞 2014年01月17日 21時29分(最終更新 01月18日 09時17分)
厚生労働省は17日、生理痛の軽減に使う「ヤーズ配合錠」の副作用による血栓症で、昨年1年間に3人が死亡したと発表した。同省は製造販売元のバイエル薬品(大阪市)に対し、医師向けの添付文書に、足の痛みなど血栓症の疑いがある場合は使用を中止するよう警告欄を設け、医療機関に文書を改訂したことを伝えるよう指示した。他の生理痛薬や避妊薬でも血栓症による死亡例が相次いでいるといい、注意を呼びかけている。
厚労省によると、ヤーズ配合錠は女性ホルモンを配合し、生理痛の原因物質を抑制して症状を抑える。2010年11月の販売以来、今年1月7日までに延べ約18万7000人が使用。昨年2〜12月、10代後半から40代の女性3人が副作用による頭や肺、足の血栓症で死亡した。同省は服用者に頭や足、胸の激しい痛みや突然の息切れ、急性の視力障害が起きた場合は直ちに使用を中止し、救急医療機関で適切な処置を受けるよう求めている。
また、同様の成分を配合した医療用の生理痛薬やピルなどの避妊薬約30品目についても、04年以降に服用者が血栓症で計10人死亡している。服薬との因果関係は不明だが、同省はピルなども副作用で血栓症になる危険性があるとして、添付文書などを通じて医師や利用者に注意を求めている。【桐野耕一】