エリアスの怪我から一年以上経ったある日、朝起きて、アイテムBOXの整理をしていたライーザは自宅のアイテムBOXの中からある物を必死に探していた
「無い!…無い!…私の砥石が無い!」
そう…砥石だ、ハンターをやる上での必需品の一つでもある
「昨日まで100個くらいあったはずなのに!!」
「仕方ないわ…雑貨屋で買いましょう…」
ライーザは自宅を出て村の中心を通る大きな階段を降りると、雑貨屋に行った。
「あらハンターさん、今日は何を買っていく?」
「……砥石下さい…」
「元気が無いわね…どうしたの?」
「実は、一晩で砥石がごっそり消えていたんです…」
「それって…今あそこでハンターさんのお友達が売っているやつじゃないの?」
「…え?」
ライーザが振り返ると、フリーマーケットのようなスペースでエリアスが砥石の特売をしていた
「安いよ!安いよ!」
「おはよう…エリアス」
「げっ…おはようライーザ」
「ねぇエリアス、ちょ~っといいかしら?」
「なっ…何かしら?」
「今朝起きて気がついたんだけどね、昨晩は沢山あった砥石、今朝みたらなくなっていたのよ…まさかとは思うけど…貴方が今売っている砥石は、私のじゃないでしょうね?」
「そんなぁ~人の持ち物勝手に売るわけ…」
「正直に言えば怒らないであげる」
「はい、ライーザさんの砥石です」
「エリアス、ちょっとイイかしら?村の外まで…」
「怒らないって言ったよね!?」
「怒らないわよ?」
この時、ライーザの目以外はニコニコしていた…目以外は
胸を撫で下ろしたエリアスはライーザと村の外に行き…
ライーザはポーチから閃光玉を取り出し、エリアスの目元に投げた
エリアスは目を焼かれ、のたうちまわっている
「目がァァ…目がァァァァァ」
その間に紐でぐるぐる巻に縛られて、洗濯板の上に乗せられ、岩を何枚ものせられた
《エリアス拷問中》
「これに懲りたら二度とやるんじゃないわよ!わかったわね?」
「…はい」
砥石を取り返したライーザは自宅に戻り、グラシュバリエとジンオウガS一式を付けて、集会浴場に赴いた
集会浴場の暖簾のくぐると、ギルドマネージャーに呼び止められた
「チミチミ、ちょっといいかね?」
「何ですか?」
「君に緊急クエストの依頼をしたいのじゃが…相手はあのジンオウガじゃ」
「ジンオウガですか…」
「しかもそのジンオウガはこの村に危害を及ぼす危険が出てきたため、早く狩猟してもらいたいんじゃ…」
「わかりました」
「そっち受付に緊急クエストの依頼が出ているから、受注して行きなさい」
「はい…」
そういうと、ライーザは温泉で軽く汗を流し、受付でクエストを受注して、アイテム整理をしたのちに集会浴場の裏口から荷台に乗り出発した…
ここは渓流、ライーザも慣れ親しんだ狩猟マップだ
そんな渓流のエリア4で荷台から降ろされた
エリア4に荒れ果てた村の後が残っている…なんでも天災に侵されて滅んだ村の跡なんだとか
そんなエリア4から少し坂を登り、山林地帯へと入って行った。
そこにはジンオウガが居た…のだが、すでに誰かが戦っている…そしてその人物はライーザのよく知る人物だった…
「エリアス!? なんで居るのよ!」
「ギャァ…いてて…は!?ライーザ!?」
「とりあえずこっちに来なさい!」
エリアスはジンオウガにペイントボールを投げつけ、ライーザと共にエリア4に退避した…
「ふぅ…間一髪ゥ」
「なんであんたがここに居るのよ!説明して!」
「えっと…村長さんにジンオウガの狩猟を頼まれて…で、来たんだけど…ライーザは?」
「私はギルドマネージャーに緊急クエストとして依頼されて来たのよ」
「まさか…同じジンオウガの討伐?」
「だとしたら楽ね…サクッとかたずけちゃいましょう」
その時であった、水辺の方から凄まじい方向が聞こえてきたのだ
「「……ッッ」」
「あれ?ペイントボールの匂いは別の方向から聞こえたわよ?」
「ってことは……」
2人は咆哮が聞こえた方にそっと行ってみた。
「やっぱり、2匹居るんだわ…」
放電状態のジンオウガが居た…
しかも運悪く……
(ザシュッ…ザシュッ)
ブルファンゴが突進して来た
なんとか回避したのだが、その音でジンオウガに気づかれてしまった
こちらに気がついたジンオウガはゆっくりと近づいて来て、咆哮をした
2人はうるさくて耳を塞ぐ
次の瞬間、大きな影が2人を覆っていた…
「(…グフゥ)」
起き上がった2人は…
「一旦逃げるわよ!」
そして2人は先ほどのエリア4に戻って来た…
「ライーザぁ、さっきのジンオウガめちゃくちゃ強かったよぉ」
などと泣きついてきた
「放電状態なんて運が悪いわね」
そこで2人は少し休憩をとることにした。
そしてエリアスは回復薬グレードを取り出して飲みほした
「ほんと、味は良いし良く効くわねぇ」
「そりゃあ栄養満点のハチミツ混ぜてあるんだから当たり前でしょう」
「身体が楽になったわ」
「この前少し休みましょう」
その頃渓流の別の場所では…
ギャオオオオゥン!
「ふぅ、ビンも尽きたこれであの二人も楽に倒せるであろう…僕が手を出せるのはここまでかな」
そういうとその人物は何処かに去ってしまった
《10分後》
「じゃあ行きましょうか…ペイントボールの付けている方から倒しましょう」
その後ライーザとエリアスは渓流のエリア7へと来ていた
先ほどの放電状態のジンオウガも何処かに行ってしまったようで、ブルファンゴが3頭ほどうろついていた
そいつらを無視してペイントボールの匂いがする方に進んだ
そして傾斜がすごい坂を登った
そしてエリア9と呼ばれているエリアに入った瞬間2人は息を飲んだ
「「(なぜこいつはもう寝ているの!?)」」
そう…ジンオウガが横たわって寝ていたのだ。
モンスターは大抵、瀕死状態になると眠って休憩をとる
ライーザは足元に落ちているあるものをみて全てを察した
「あぁ、そう言う事ね…やっと全て分かったわ」
「ん?ライーザ、分かったって何が?」
「狩が終わったら教えるわッ!」
そういってライーザは眠ったいるジンオウガに近寄りグラシュバリエに手をかけ、全身に最大まで力を溜め始めた
それをみたエリアスも背中に担いでいたフローズンコアに手をかけライーザ同様、力をこめ始めた
「いくわよ!エリアス!」
「OKよ!」
そして2人の会心の一撃が叩き込まれる
ギャオオオオゥン!
寝ていたジンオウガは2人の同時攻撃をまともに受け、転がった
納刀したライーザは…
「たたみかけるわよ!…ってあれ?エリアス?」
エリアスが居た方を振り向いたが、さっきまでいた場所にエリアスは居なかった
そしてジンオウガに向き直ると、ジンオウガの背中から凄いスピードで超電雷光虫を採取しているエリアスが居た
「もう!しょうがないんだがら!」
ライーザは走ってジンオウガに近寄り抜刀し、手慣れた手付きで次々と斬撃を繰り出した
採取を完了したエリアスはライーザに続いて背中のフローズンコアを取り、ジンオウガを殴りつけた
ライーザが溜めの一撃を放つと、ジンオウガは二度と覚めない眠りについた
「おつかれ!ライーザ」
「あぁお疲れ様エリアス」
「あと一匹ね...一旦キャンプに戻りましょうか…」
「そうね…えっとモドリ玉は…」
2人は戻り玉を使った、2人の身体は緑の煙に包まれ、キャンプに戻った、すると…
「「あっ!!」」
ライーザの知る人物が荷台に乗り込むところだった
「アイルー君、早く出発しよう」
「ちょっと貴方!待ちなさい!」
「では失礼します…サヨウナラ☆」
その人物は2人に別れの挨拶をしながらウインクして帰って行った
「もぅ、あいつ…ってエリアス!?」
エリアスは茫然として居た、ライーザが呼びかけても返事がない
まるで身体から魂が抜けたように突っ立っている
ライーザが身体を揺するとようやく返事をした
「あ…何?ライーザ」
「何じゃないわよ、呼んでも返事しないで…」
「ごめんごめん(笑)」
「もしかして…見惚れてた?」
「そっそんなこと…あっあるわけないじゃない!」
この時ライーザは確信した
「(図星ね)」
2人はキャンプで態勢を立て直し、もう一匹のジンオウガに備えるのであった
【あとがき】
今回はいきなり謝辞から入らせて頂きます
投稿遅れてすいません!!
Ipodは年末には治っていたのですが、ゴロゴロしてました…
それとこのようなつまらない小説に目を通して頂き有難うございます。
今回はジンオウガ編前編と言うことで書いてきました。
さて次回予告ですが
次回はジンオウガ編後編です
投稿日は1週間後の日曜日を予定しております。
乞うご期待!
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