見渡せば雲を越える様な山が幾つもそびえ立つ…下が見えないほどの高さの場所に彼女達は居た。
ライーザとエリアスの2人は渓流のベースキャンプで休憩をしていた…
「エリアス!そろそろ行かないと!時間マズイわよ!」
「ええ!分かったわ!」
彼女達はそれぞれ違う人の依頼でジンオウガを狩猟に来て居合わせてしまったのだ。
「エリアス!行くわよ!」
「まっ待って~…(ドサッ)……あ」
そして二頭出現したジンオウガの一頭を狩り終えたところで、ベースキャンプで休憩をとっていたのだが、休憩をとってばかりで時間を気にしていなかった。
「ほら!早く!…もう!行くわよ!」
「待って、もう終わるから」
「あーもう何でこんな時にポーチの中身溢すのよ!」
「ごめん…」
ギルドはクエストに出発してから一定時間(まぁそれなりに長いけど)が経つと狩猟不可能と見なしハンターを強制送還する
「ほら!グズグズしない!」
「待って~」
かくして2人はダッシュでジンオウガを探しにベースキャンプを後にした…
そして、断崖絶壁の崖の上まで来た2人は偶然、超電状態のジンオウガと遭遇した。
「やっば…めっちゃ怒ってるわよ…あれ?エリアス?貴方武器は?」
「え…背中に…あれ!?無い!?」
「アンタねぇ…」
「ごめん…とってくる…」
どうやらライーザに急かされ過ぎてベースキャンプに置いてきたらしい…武器を忘れるハンターなど聞いたことも無い
「早くしなさ…グハッ」
呑気に会話していたところにジンオウガがジャンプしながら襲いかかってきた
「そうだ…こいつの存在忘れてたわ…」
そう言うとライーザは背中からグラシュバリエを抜き、力を込める
その隙にもジンオウガは突進をしてきた…
全身に力を溜めたライーザの一撃とジンオウガの突進は双方にダメージを与えライーザは吹き飛ばされジンオウガは怯んだ
「ったく、早く死になさい!」
態勢を立て直した双方は激しくぶつかり合う
ライーザはグラシュバリエでジンオウガを切り裂く、がジンオウガもライーザめがけて足で潰そうとしてきた。
「危なッ!」
何とか避けグラシュバリエを構え直す、そして力は溜めずに振り回しながらジンオウガを斬り裂いた
そして体勢を立て直そうとした瞬間、ジンオウガはライーザを尻尾で巻き込みながらジャンプした。
双方ダメージを負いながら闘っていた
一方…エリアスは…ベースキャンプから自分の武器を取り、ベースキャンプを後にしていた
「やっば~こんがり肉食べてたら遅くなっちゃった~でも美味しかったからいっか~」
相変わらずこんな感じである
その後ライーザはジンオウガに押されながらも回復薬グレードを使いながら、グラシュバリエでジンオウガと闘っていた
「回復薬グレードも無くなってきたし…早くケリをつけないとね…」
ジンオウガは勢いよく飛び上がり背中でライーザめがけて潰そうとしてきた…これをライーザは大きく跳びながらスライディングしたのだがよける事が出来ず、大ダメージを負った、そして息が出来ない…
「グッ………息が………」
そして起きあがろうとした瞬間、見えたのはジンオウガが勢いよく回してきた尻尾だった!
「(避けられな…)」
そして次の瞬間、太ももの辺りに鈍い痛みがはしり、空中に飛ばされた
「……!?!?」
「おお~綺麗に飛んだ(笑)」
エリアスがライーザをハンマーで打ち上げ、ライーザはジンオウガの攻撃を受けずに済んだ
だが…
「エリアス!!」
「何? あ…お礼ね…感謝しなさい!私のお陰で貴方は助かったんだから!」
「…アトデオボエテオキナサイ」
「…え?今なんて?…あぶなッ」
エリアスはジンオウガの攻撃を避けベースキャンプからとってきたフローズンコアを取ると力を溜め
る…
ライーザはグラシュバリエを抜きジンオウガに斬りかかる
そして力を溜めていたエリアスが、ハンマーを振り下ろすとジンオウガは怯んで帯電状態から通常の状態に戻った
すると、ジンオウガは2人に背を向け、崖を飛び降りていった
「ねぇライーザ…さっき何て言ったの?聞こえなかったんだけど…」
「そのうち分かるわよ」
「???」
「行くわよ!奴を追いかけなくちゃ…」
2人は砥石で切れ味を回復させた後、坂道を下り、川が流れているところまで来た。
「居ないわね…」
「ライーザ…もしかして私の事恨んでない?」
「ん?気のせいじゃない?」
「そう言って誤魔化すときって後で拷問されるのよね…後が怖いわ」
「大丈夫よ、今回は拷問はしないわ」
「拷問はしない!?じゃあ何するの!?」
「ヒ・ミ・ツ」
それだけ言うとライーザは林の中に入っていってしまった。
エリアスも急いで後を追う
「待ってよ~ライーザ~」
「しっ!静かに!」
ライーザは林の奥を指差す…そこには疲れきったジンオウガがヨダレを垂らしていた。
「もう捕獲出来るんじゃないかしら?」
そう言ってライーザは落とし穴を仕掛けた。
そして…大きく息を吸って…
「こっち来なさい!この臆病ジンオウガ!」
エリアスは耳を塞いでライーザを睨んだ
「ライーザ…うるさいんだけど」
「ごめんごめん」
などと話をしていると…ジンオウガが落とし穴に引っかかった。
いつの間に取り出していたのかは分からないが、ライーザは捕獲用麻酔玉を投げ、捕獲をした
【目的を達成しました】
「お疲れエリアス…」
「お疲れ~ライーザ」
そして、ベースキャンプまで戻り帰りの荷台に乗った
~帰りの荷台にて~
「ねぇエリアス~ちょっと腕の防具外してくれないかしら?」
「どうして?…別にいいけど…」
(コキン,コキン,コキン,コキン…)
「ライーザ…貴方なんでそんなにニコニコしてるの?…あとさっきからものすごく腕が痛いんだけど…」
「何よ…ただ貴方の腕の関節を外してるだけじゃない…」
「平然と言い切ったわね…まぁいっか…ここをこうにして…んしょっと(コキン)」
「平然と関節を入れる貴方も凄いと思うわよ…」
「昔から貴方に外されること多かったから…慣れちゃった」
「慣れって恐ろしいわね…」
「ところでライーザ…ジンオウガがあんなに早く死んだのって…もしかしてキャンプで会ったあのハンターが…」
「おそらくそうよ…まぁおかげでそこまで苦労しなかったし…」
そしてしばらくするとユクモ村に着いた
2人は村長とギルドマネージャーから感謝され、しばらく休暇を取ることにした。
ジンオウガ編 完
【あとがき】
こんばんわ、作者のtoaruloveです
今回は前回に引き続き、ジンオウガ編を書いて行きました
では恒例の謝辞から入らせて頂きます
今回もこの様な短編小説を読んでいただきありがとうございます。
文章力がなくすいません…
今作では私の実際の体験談を取り入れて見たのですが…ライーザがジンオウガに潰されて息が出来なくなったところです
実は1年と少し前、私がリア友をからかったところ、リア友に倒されて、背中を思い切り踏みつぶされたんですよね…しばらく息が出来なくて…マジで死ぬかと思ったんですよ~
続きまして次回予告です!
次回は外伝を予定しております。
ライーザが双剣を使わない訳が語られるでしょう!
では、乞うご期待
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