【島が危ない 第1部・再び対馬を行く(1)上】日韓海底トンネル構想 進む土地買収 根を張る「韓国」
2014.1.19 08:41
長崎県対馬市で、自衛隊施設の隣接地などが韓国資本に買収されている実態を連載「対馬が危ない!!」で明らかにしてから5年余り。ようやく、外国資本による不動産売買を規制する新法制定が具体化してきた。その対馬を昨年暮れ再び訪ねたが、5年前よりも島は疲弊し島民の生活に「韓国」が深く根を張っていた。対馬に限らず、国境の離島では経済的疲弊と過疎化が進んでいる。人が住んでこそ堅持される安全保障。第1部では、対馬の「いま」を報告する。(宮本雅史)
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昨年9月上旬、対馬市内のホテルで、ある会合が開かれた。実質的な主催者は韓国系宗教団体「世界基督教統一神霊協会」。いわゆる「統一教会」である。
全国から30人余りが参加し、うち10人近くは韓国人だった。会合は非公開で行われたが、関係者は、会合の様子をこう話す。
「幹部らしい男性が『われわれは対馬で何万平方メートルの土地を買った。対馬だけではなく、福岡や壱岐でも買った』と切り出したので驚いた。『日韓トンネル』『自分たちの夢だ』という言葉も飛び交っていた」
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対馬市厳原(いづはら)町阿連。市立今里小学校前から、対馬名産、対州ソバのソバ畑を横目に林道に入る。ソバの実を摘んでいた老女によると、この先の山が韓国資本に買収され、工事用のダンプカーがよく出入りしていたという。
「海底トンネルの出入り口ができるらしいね」
林道を進んでいくと、斜面には蜂蜜を採取する「蜂堂」と呼ばれる杉などの丸太を切り抜いたニホンミツバチ用の巣箱がたくさん設置されている。
道路は掘削された岩がむき出しになっていたが、ところどころ舗装され、排水溝も整備されている。林道を上り切ると、突然、朝鮮半島との間の対馬海峡が眼下に広がる。岩でタイヤを傷つけないように注意しながら曲がりくねった道を進むと、広大な平地に突き当たった。
統一教会の幹部が、ホテルで「買収した」と説明した土地だ。すでに山を大きく切り崩し、整地されていた。人の気配はなかったが、出入りはあるようだ。たばこの吸い殻が散らばり、事務所らしき建物の机上には2カ月前の日経新聞が置かれていた。
地元の建設会社によると山林が買収されたのは数年前で、4ヘクタールにのぼるという。「しばらく前に見に行ったが、道路ができ、車が出入りできるようになっていた」と驚きを隠さない。
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韓国・釜山-対馬-壱岐-佐賀県唐津市を結ぶ海底トンネル構想なるものがある。30年以上も前に、統一教会の故文鮮明総裁が提唱した計画だが、いまだに継続しているようだ。
この日韓海底トンネル構想について、対馬市商工会の浦田一朗会長(70)は「(統一教会のグループに)図面なんかも見せてもろうたし、唐津と韓国から少しは掘っているという話も聞いた。でも、日本と韓国が手を結んでやろうというならできるでしょうけど、そうじゃなかったらできんですよ。夢みたいな話だからみんな真剣にはならんですね」と冷ややかに話す。しかし、対馬市議会は昨年3月26日、「日韓海底トンネルは、島国日本とアジア大陸を結び、東アジア一体化と平和を求める歴史的な試み」として「日韓海底トンネルの早期建設を求める意見書」を可決した。
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