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「残念としか…」 石巻で「レクイエム」初演 佐村河内さん

震災の犠牲者に捧げる曲を披露するために石巻市湊小を訪れ、あいさつする佐村河内守さん=2013年3月10日

 作曲家佐村河内守さん(50)は、東日本大震災の犠牲者にささげる「ピアノのためのレクイエム」を作曲したとされる。代表作「交響曲第1番 HIROSHIMA」は被災者にも感動と希望を与えた。曲は別人物が作った可能性が明らかになった5日、宮城県の関係者やファンに戸惑いや失望が広がった。

 「ピアノのためのレクイエム」は、佐村河内さんが石巻市などの被災地を訪れる中、震災で親を亡くした少女と出会い、現地で感じたやり場のない悲しみなどを曲にしたとされる。
 昨年3月10日には石巻市湊小の体育館で約250人を前に初演され、佐村河内さんも演奏を見守った。会場に同小を選んだのは、この少女が通っていたためだという。
 今回の問題に関し、湊小の教職員は「残念としか言いようがない。状況を静観し、子どもの心のケアを大事にしていきたい」と話した。
 「HIROSHIMA」は、クラシック音楽としては異例の大ヒットとなった。原爆を投下された悲劇や未来への望みが、震災の被災者の思いと重なることから、被災地では「希望のシンフォニー」と呼ぶ人もいた。
 ファンからは、裏切られたことに対する戸惑いの声が聞かれた。
 佐村河内さんを特集したNHKのドキュメンタリー番組を見た仙台市泉区の派遣社員の女性(39)は「必死に音楽と向き合う姿と曲に感動してCDを買った。他の人が作った曲だと知り、がっかりした」と語った。

◎仙台など公演中止

 「HIROSHIMA」は全国ツアーの演奏会が開かれていた。4月11日に予定されていた東京エレクトロンホール宮城(仙台市青葉区)など残りの公演は5日に中止が決まった。
 仙台公演を主催する東北放送の担当者は「被災地支援の一環として公演を実施する予定だったので大変残念」と話した。


2014年02月06日木曜日

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