つくったばかりの大記録の更新も夢じゃない。ヤクルトの小川淳司監督(56)はキャンプ休日の5日、ウラディミール・バレンティン外野手(29)の今季起用について「3番を打つという考え方もある。彼は一番出塁率が高いし、単純に打席の回る数が多くなる」と、打順を上げる可能性を打ち出した。
シーズン60本塁打のプロ野球新記録を打ち立てた昨年、バレンティンは121試合で4番に座り、3番は3試合、5番は4試合だった。4番に定着したのは昨年からで、その前の2年間は5番、7番が多かった。4番という打順に発奮し、成績を残した可能性もあるが、指揮官が注目したのは出塁率の高さ。昨年は4割5分5厘で、規定打席に達した選手では12球団で断トツだった。
この日のバレンティンは、前日に「しっかり寝てリフレッシュするよ」と話していた通り、球場には姿を見せなかった。来日4年目。プロ野球キャンプの流れを把握しているスラッガーは、日本のストライクゾーンにも年々慣れ、球の見極めや待球ができるようになってきている。小川監督は「後ろに4番がいれば、勝負を避けられることも減るかもしれない」と期待する。打順が上がれば、打席数は確実に増える。記録の更新も想定内だろう。 (竹村和佳子)
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