――日本をはじめ、今後アジア展開を見据えています。最初に日本市場に目をつけた理由は。
「1つは厳しい競争環境に晒される日本市場で勝ち抜き、競争力を身につけるため。また、今後、アジア展開していく中、日本でブランドを確立することがプラスに働くと考えたためです」
――化粧品を選択した理由は。
「化粧品市場全体をみてもeコマースの占める領域は2000億円前後でそれほど大きくない。化粧品通販の中でもまだ小さく、成長の余地があると考えました」
――ただ、国内化粧品市場は厳しい競争環境に晒されていますが。
「eコマース分野では、まだ『書籍分野におけるアマゾン』のような圧倒的な存在感を示す企業は生まれていませんし、上位プレーヤーの寡占化も進んでいません。また、化粧品業界全体の低価格化が進行していますが、ネット上では高品質・高価格帯の化粧品はそれほど扱われていません。その中で専門知識を持つスタッフのアドバイスの下で販売するスタイルは、価格訴求が中心の化粧品通販サイトと一線を画すものと考えています」
――どのような販売スタイルで差別化を図られるのか。
「商品は著名な美容ジャーナリストやバイヤーの方のセレクト商品や日本初上陸となるブランド、国内ブランドも展開します。また、今夏にはオンラインカウンセリングを導入し、個々の顧客に最適な商品を提供できるスタイルを確立します」
――そのほかに考えている顧客サービスは。
「送料無料や翌日配送、ポイントプログラムなどは随時追加していきます。チャットやメールによる美容相談の仕組みも構築していきたい」
――最初から高価格帯商品の購入に結びつけるのは容易でないと思いますが。
「本商品購入につなげる施策としてブランドサイドと協力し、サンプルやトライアルキットの展開も行っていきます」
――2000アイテムもの商品を取り扱うとなると、カウンセリングによる比較提案も難しい。
「その点はデータベースの整備と専門知識を持つスタッフの育成の両輪で考えていきます。顧客が望むことは、数あるブランドの中で"本当に自分に合ったものは何か"を探すこと。店頭にある各ブランドの販売コーナーでは比較が難しく、気軽に美容部員に声をかけることもできません。"敷居が高い"と感じている顧客にカウンセリングを通じて商品提供することが顧客満足につながると考えています」
――3年で300億円の売上高を目標にされていますが初年度の目標は。
「公表していませんが、短期的な数値目標より日本でプレゼンス(存在感)を確立することが重要と考えています」
――システム投資もされていると思うが、損益分岐の売上高は。
「その点も公表していませんが、3年後に目標の規模に達すれば、十分素晴らしいビジネスができると考えています」
――M&Aによる事業拡大は検討していますか。
「積極的に検討します」
――今後、どう知名度の向上を図りますか。
「夏から秋にかけ、ターゲットとする30~40歳代の認知向上を図る大規模なプロモーションを行います」
――今後、化粧品以外の商品群も扱いますか。
「化粧品と親和性の高いビューティー関連やヘルシー関連の商品拡充は行っていきます」
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