南原清隆さん「狂言はお笑いの原点」2月5日 14時22分
タレントの「ナンチャン」こと、南原清隆さんが熱心に取り組んでいるのが、古典芸能の狂言。
ただ、演じる場所は能楽堂ですが、演目は狂言と現代のコントを融合させた「現代狂言」です。
8年前から続け、ことしの公演で100回目を迎えます。
室町時代から続く古典芸能で、今の「お笑い」の原点とも言われる狂言に取り組む思いを聞きました。
古典に原点があった
南原さんがみずから脚本を書いた今回の演目は、虫の世界で起こる騒動から現代社会についても考えてもらおうという作品です。
なぜ、お笑いをしながら狂言に取り組むことになったのか。
「コントとかいろいろお笑いの仕事をやらせてもらっていくうちに、ちょっと煮詰まった時期がありまして。なんでコントってこうなんだろう、という。狂言を習いだしたら、これはもう600年も前からあったんだという。教科書みたいな感じを受けたんです。もともとなんで日本はボケと突っ込みがあるんだろうと。それが狂言になると、太郎冠者と次郎冠者でこういう並びでやっているんだというのが自分なりに感じるところがあったんですね」(南原さん)。
南原さんに狂言の演出や所作を指導しているのは、狂言師の野村万蔵さん。
座ったり立ったり歩いたりという基本の所作をみっちりたたき込まれました。
真摯(しんし)に取り組む南原さんの姿勢に共感し、野村さんも「現代狂言」に出演しています。
「古典の様式性と現代のリアルな笑いが行ったり来たりしながら、やつぎばやに、今は古典だ、今はコントだっていうような、さまざまなおもしろい見方ができるんじゃないかなと思ってます。南原さんの狂言師としての腕前ですか?入門初心者としては、筋がいいです(笑)」。
“焦らなくても大丈夫”
狂言に取り組み始めて得るものはあったのでしょうか。
「めちゃめちゃ大きかったです。もう景色が変わるぐらい。例えばピッと足を出してつまづくっていうときに、狂言だと、つまづいたところでドーッと笑いが来るように『前』をちゃんと仕掛けてあるんですよね。最後の中盤あたりから、最初に仕掛けていた笑いがどんどん回収されるんですよ。たぶん日本人は同じところで笑っているはずなんですよ。狂言で、お笑いの根っこみたいなのを見たら、ここをやっておけば、しっかり笑いになるから、焦らなくても大丈夫だよというのがありました」。
南原さんは、狂言にコントを融合させた現代狂言を入り口に、本来の狂言のおもしろさにも、多くの人に目を向けてもらいたいと考えています。
「来てくれる人が本当に4、5歳のちっちゃい子から、もう80歳、90歳のご年配の方まで各世代の方が一斉に来て笑ってくださるんですよ。それはやっぱり古典の強みで、ちょっとでも元気になってもらって、来てよかったねとか、やっぱり日本人っていいねっていうのを少しでも感じてもらえれば、ありがたいですね」(南原さん)。
[関連ニュース] 自動検索 |
[関連リンク] |
|