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ボディ・ブルー 青い人間たち【後編】

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 「ボディ・ブルー 青い人間たち【前編】」で紹介した青い顔の男・ポールさんの症状は、コロイド状銀の摂取によりもたらされたものだった。しかし、アメリカではさらに驚きの、生まれながらにして青い肌を持った一族がいたのだった。

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画像は、ファゲイト一族の彩色写真。「Daily Mail」より

■ファゲイト一族とは?

 アメリカ東部のアパラチア山脈周辺は、近年に至るまで地理的・文化的に隔絶され、開拓時代から独自の生活様式や信仰が維持されてきた地域。「青い肌の一族」ファゲイト一族は代々この地域に住んでいた。

 一族の歴史は、青い肌を持ったフランス人孤児、マーティン・ファゲイトが、1820年に東ケンタッキー州のトラブルサム・クリークという場所に住み始め、エリザベス・スミスという女性と出会い、子供をもうけたときから始まったと伝えられている。この時生まれた7人の子どもたちのうち4人が、青い肌を持って生まれたそうだ。

 その後も、子孫たちは、青い肌を持った人が数多く現れるようになる。特に、13人もの子どもをもうけ、84歳で亡くなったルナお婆ちゃん(4代目)の青い肌は、「一族の中でも一番だ」として話題になるほど青かったそうだ。

■青い肌の原因

 このファゲイト一族の青い肌の謎に、これまで何人もの研究者が挑み、その原因が少しずつ解明されてきた。
 
 血液学者であるマディソン・カウェイン氏やアヤレウ・テフェリー氏は、ファゲイト一族の青い肌の理由は、彼らが両親より代々受け継いできた欠陥遺伝子によって引き起こされる劣性疾患にあることを明らかにした。

 もう少し詳しく解説すると、ファゲイト一族の遺伝子には、「シトクロム-b5 メトヘモグロビン還元酵素」と呼ばれる酵素が欠けており、これが「メトヘモグロビン血症」という劣性疾患の原因となっていた。人間の血液中には、通常1%未満のメトヘモグロビンが存在しているが、この数値が異常を示す状態を、メトヘモグロビン血症と呼ぶ。

 もしメトヘモグロビンの値が20%以上を超えた場合には、人間は痙攣を起こして死に至ることもあるのだが、これが1%~10%の間である場合、血液が酸素化されずチョコレート色になってしまう。そしてこの血液の色こそ、皮膚が青くなることの原因なのだという。

 しかし、ほかの症状は一切引き起こされることなく、何ら健康への影響を受けることはないとされており、実際に、ファゲイト一族の大部分は長生きだった。

 ちなみに、現在メトヘモグロビン血症の患者を見ることはほとんどなく、あまりにも稀であるために通常の血液検査で調べられることはないらしい。

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