3万人が薬漬け、儀式レイプ、コスプレ…ロシアカルト教団「アシュラム・シャンバラ」の実態
その後も、被害届の数は増える一方で、警察は、2005年に、行方不明となっている男女を探すため、コンスタンチンを再び拘留。しかし、信者たちが「被害など受けていない」「共同生活などしていない。ここには、旅行で訪れているだけ」と主張したため、起訴することができず、釈放された。このように、地元警察やロシア連邦保安庁は、12年間に渡りコンスタンチンに法の裁きを受けさせようと努力してきたが、信者たちの洗脳を解くことができず、被害者だと自覚させることができなかったため、手出しできず、ジレンマに陥っていたのである。
3年前の2010年10月、警察はまたも「行方不明届けが出されている少女を探す」ため強制捜査を行い、コンスタンチンを拘束した。今度は、コンスタンチンのポケットからヘロインが出てきたため、即、逮捕、起訴することができた。この時、カルト施設には、親族から行方不明者届けが出されていた15人がいたとのこと。その一人は、ベラルーシ共和国出身の14歳の少女だったと報じられている。
■遂に捕まったコンスタンチン
ロシア連邦保安庁の根気強い説得により、16人の元信者たちは、教団の実態をうつしたビデオなどの証拠品を提出したり、証言することに応じた。裁判で、コンスタンチンは、「ポケットからヘロインが出てきて驚いている。実は、あのズボンは自分のではなく、別の人のを間違えてはいたんだ」ととぼけたり、「私は人類を真実へと導くため、シリウス星からやってきたエイリアンだ」「メシアなのだ」と主張するなど、演技なのか、本気なのかは不明だが、支離滅裂な発言を繰り返していたと伝えられている。
検察官は、コンスタンチンは、何万にもの繊細な人々の心につけいり、洗脳し、支配下に置いた悪だと強調。この主張が認められ、裁判所は、禁固11年と、被害者に370万ルーブル(約1100万円)の慰謝料を支払うよう命じた。慰謝料は、ロシア連邦保安庁に没収された車8台と、家2件を売って、支払われるものと見られている。
コンスタンチンの弁護士は、「今日の判決は客観的なものではない」と不満気にコメント。上告すると意気込んだが、裁判官から却下されている。
ロシアにはいくつかのカルト団が存在しており、クラスノヤルスクで活動している、イエス・キリストそっくりの風貌のヴィサリオン率いる「ラスト・テスタメント教会」など、うさんくさい教団に狂信するものが後を絶たない。2008年にはペンザで「最後の審判」を信じるカルト教団信者が、6ヶ月以上にわたり洞窟に立てこもり、2人が亡くなるという、悲劇的な事件が起こっている。
教祖が逮捕された「アシュラム・シャンバラ」だが、教団としてまだ存続しているとのこと。コンスタンチンが出所する11年後まで教団が続けば、コンスタンチン復帰後さらに大きくなる可能性があるため、ロシア連邦保安庁は教団の動きを注意深く見守っている。
記事は、ハピズムより
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