>  > コルト一家の近親相姦40人

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■複雑かつ絶え間なく繰り返された末に…

 さらに驚くべきことに、聞き取り調査や遺伝子検査の結果、コルト一家の近親相姦とは、現在最も若い世代の4世代前、つまり彼らの高祖父母(祖父母の祖父母)が兄妹であった時点から始まっていたのだという。まるで世間の目から隠れるように暮らしながら、コルト一家は4世代にわたって、南オーストラリア州・ビクトリア州・西オーストラリア州・ニューサウスウェールズ州、と移住を繰り返していた。彼らは、一家以外の誰からも気付かれることなく、何世代にもわたって、複雑かつ絶え間なく近親相姦を繰り返してきたのだ。

 その結果、現世代のコルト一家には、共に同じ遺伝型の両親を持つ場合に起こりうる「ホモ接合」によって、言語障害・歩行障害・知能障害・発育不全・視覚と聴覚の異常・乾癬(かんせん)など様々な障害が現れていた。さらに、彼らの貧困や不衛生な暮らしもそこに相まって、まさに一家の限界ともいうべきタイミングで発見されたというわけだ。

 それにしても彼らが暮らした町の住民は、本当に今までその存在に気付いていなかったのだろうか。ある地元住民は、「年に2、3回だけ、10人ほどの子どもたちを引き連れた女性が中心部へとやってきて、何かを買って去っていった」と語っている。その際は彼らの容貌を見て「きっと生まれつき、あんな風に汚いんだろう」とジョークにして楽しんでいたのだという。また、彼らの住居近くの農場主による、「チェーンソーの音を聞いた」という報告や、時々町に焚き木を売りにくる男の目撃証言もあったようだ。

 その後のコルト一家であるが、ケースワーカーたちによる複数回の訪問の結果、2012年7月18日、ついに12人の子どもたちが保護されたようだ。そして子どもたちは、心理学者による調査や精神治療のプログラムを受けた後、里親の元で養子として育てられることとなったようだ。コルト一家の大人たちは、育児放棄・近親相姦・児童虐待など、人知れず行われてきた行為の責任をさまざまな形で取らされる可能性があるという。また、裁判所の資料はコルト一家の未成年が行った近親相姦に関する内容で埋め尽くされているという。

 コルト一家の記録は、オーストラリア国内における近親相姦事件の中でも、最悪のケースに位置付けられるという。家族間の歪んだ欲望の連鎖が作り上げた、今回の事件。何世代もの間、なぜ誰も彼らを救うことができなかったのだろうか。
(文=グリーン・M)

※参照:「news.com.au

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