会見した左から慈恵病院の蓮田健産婦人科部長、全養協の武藤素明副会長、藤野興一会長=東京・霞が関の厚労省【拡大】
★全養協の抗議書に対する日本テレビの回答全文
弊社番組「明日、ママがいない」につきまして、貴協議会より弊社に対する平成26年1月29日付「児童養護施設で生活する子どもを、これ以上傷つけないでいただきたい」と題する書状を拝受いたしました。
本ドラマは、子どもたちが厳しい境遇に立ち向かいながら、前向きに愛情をつかむ姿を描くことをテーマに企画されたもので、そのことは、本ドラマを見続けていただければ必ずやご理解いただけるものと考えております。また制作にあたっては、児童養護施設の施設長を経験された専門家に監修をお願いするなどの配慮をいたしておりました。
しかしながら、貴協議会が1月29日付書状等においてご指摘されるように、本ドラマを視聴した施設の子どもたちが傷ついたり、同書状別紙の実態アンケートに記載されたような事実が存在するのであるならば、もとより本ドラマの意図するところではありませんが、そのような結果について重く受けとめるとともに、衷心より子どもたちにお詫び申し上げます。
さらに、貴協議会から事前に児童養護施設を取り巻く環境などの実情を詳細に伺い、表現上留意すべき点などをより慎重に確認しておく必要があったと認識しております。
本ドラマにおきましては、貴協議会からのご指摘も踏まえ、これまで以上に子どもたちに配慮してまいります。具体的かつ詳細な点につきましては、ドラマという性質上、ご説明することはご容赦頂きたく存じます。ご指摘頂いた点については重く受け止め、すでに主体的に番組制作に活かしております。
元来、弊社の本ドラマ制作のテーマは最初に述べさせていただいたとおりであります。貴協議会のご活躍と、方向性において異なるものではないと考えております。ストーリーは、当初の構想に従って展開致します。また、細部において誤解を生むようなことがないよう、細心の注意を払ってまいる所存ですので、改めてこのドラマを最後までご覧になって頂きたく存じます。
弊社は報道番組などさまざまな番組を通じて、児童養護施設の問題に真摯に向き合い取り組んでおります。今後とも貴協議会の一層のご協力を賜りますようお願い申し上げます。
経緯
第1話放送後の先月16日、慈恵病院が「預けられた子供を傷つけ、精神的な虐待、人権侵害になる」と批判し、同局に放送中止を求めると表明。20日には全養協も抗議書を送付した。22日の第2話ではスポンサー8社中3社がCMを見合わせ。日テレ、大久保好男社長(63)が放送継続を表明するも、28日の第3話から全8社が見合わせる事態に。29日には全養協が抗議書を再送付し、30日に日テレ側が全養協を訪れて内容の改善などを約束。今月1日には慈恵病院を訪れ、改善の意向を伝えた。
(紙面から)