レイプ大国インドの実態! 顔に硫酸、素手で腸を出す 信仰とカーストが生んだ獣たち
しかし、このカースト制度がもたらした影響だけが、レイプ犯罪を誘発しているわけではない。昨年12月にバス車内で起きた集団レイプ事件の被害者女性は中流階級のカーストだったといわれている。
インドには、カースト制度がもたらすレイプ事件誘発以外に、強烈な男尊女卑が残っているのだ。
未亡人殉死の恐るべき因習「サティ」。夫が死んで火葬されるとき、妻も火に身を投げて自殺することを強要させるというもの。これは近年まで続いてきた。
さらに、女性が結婚する時に持参金を持ってくる「ダウリー」という制度。法的には禁止されているものの、まだまだ健在である。嫁から持参金を搾り取るために、虐待したり、充分でないと火をつけて焼き殺したりする場合もある。ダウリー殺人と言われる。
こうした女性に対する暴力はインドで繰り返され、犠牲になる女性たちがどんなに多いことか。女性が危害を加えられたところで警察が動くこともなければ、裁かれることもない。女性に対して罪を犯しても罰せられないことがまかり通っているインド社会では、「女性に対していくらでも酷い虐待をしてもいい」という認識に繋がっている。
■変わりゆくインド社会
こうした残虐極まりないレイプ事件の連続から、インドでは性的犯罪の厳罰化を求めるデモ隊と警官隊が衝突するなどの事件も起こった。
今年1月、自称スピリチュアルの指導者であるというアサラーム・バプ氏が、女子学生集団レイプ殺人事件に関して、「この被害者女性も強姦した少年たちと同様に罪がある」「彼女は犯人の少年ら手をとり、姉弟として接するべきだった」などという発言をし、大非難を浴びたのも、進歩といえるだろう。
そして、ついにインド政府は、女性に対する性犯罪の厳罰化を求める世論が高まっているのを受けて、「性犯罪の最高刑を死刑とする刑法」の改正案を閣議決定したのだ。
女子学生集団レイプ殺人事件で暴行を加えた6人の男はすでに逮捕。男らのうち1人は未成年。5人に対し死刑を求刑する方針である一方、 未成年の容疑者1人については少年院に送致される見通しであるという。
インドの現実を変えるために、虐げられた状況でもあきらめずにたくましく戦っているインドの女性たちがいる。日本もこの残酷な状況から目をそらさず、しっかり見据えていく必要があるだろう。
■カーストが生んだインドの進歩
ちなみに、カーストは親から子へ代々継承されるので、その家に生まれたら生涯カーストの階層を変えることはできない。ほかのカーストのとの婚姻は不可能。それぞれのカーストによって就ける職業にも制限があり、カーストの最下層は死体処理や糞尿処理など人の嫌がる仕事しか与えられないのが現状だ。唯一そこから逃げ出す方法が、新しい職業であるIT産業。インドでIT産業が急速に成長している理由には、実はカースト制度が深く関係しているのだ。ITと宗教とカースト制度。この3つが、今後のインドの行く末を左右していくのだろう。
(白神じゅりこ)
※記事は「ハピズム」より
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