キルギス・誘拐婚の実態! アラ・カチューに従わねばならない女たち
■近年浸透した奇習だった!?
実はこの「誘拐婚」は、キルギスの伝統だとされているが、実はおどろくべきことに最近できたものだった。
かつてキルギスの遊牧民たちの結婚は、親同士が決めたお見合いが主流だった。もちろん一部では「誘拐婚」もあったようだが、それは親の反対を押し切ってでも結婚したい恋人同士が駆け落ちすることであり、決して今のような暴力的な「誘拐婚」ではなかったのである。
「誘拐婚」がキルギスにはびこったといわれるのは、ソ連時代後期からだった。それまでの遊牧生活から定住生活になり、共産主義によって男女同権が進み、男女平等の意識が芽生えた。
それによって、自由恋愛が起こり、自分の意思で結婚相手を選びたいという人が増えたのだ。
そうなると魅力がなかったり、コミュニケーション能力が欠けていたりするモテない男性は結婚ができなくなる。やがて、そのような結婚できない男性が親族から急かされ、「結婚しないといけない」という思いから、「誘拐婚」を始めてしまったのではなかろうか。
また、共産主義崩壊以降、自文化への意識が高まった結果ともいえる。
■「誘拐婚」根絶に向けて動くキルギス
キルギスでは今年1月、結婚目的での誘拐した者に対して科される禁固刑が「3年」 から「10年」へと引き延ばされた。これにより、誘拐をためらう男性も増え、「誘拐婚」の抑止力にはなったようだ。
女性の人権を無視した「誘拐婚」はれっきとした犯罪である。キルギスでは、「誘拐婚」をなくそうと立ち上がる女性たちもいる。子どもたちに、「誘拐婚」ではなく自由恋愛の素晴らしさを伝える教育も始まっているという。「誘拐婚」根絶に向けて、少しずつ変化は起こっているのだ。
■白神じゅりこ
オカルト作家・コラムニスト・ライター。ジャンルを問わず幅広く執筆。世の中の不思議を独自の視点で探求し続けている。
・ブログ「じゅりこ極楽への花道」
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