官房長官:長谷川氏追悼文問題なし、NHK経営委員に適任
毎日新聞 2014年02月05日 12時11分(最終更新 02月05日 12時58分)
菅義偉(すがよしひで)官房長官は5日午前の記者会見で、NHK経営委員の長谷川三千子・埼玉大学名誉教授が、朝日新聞社で拳銃自殺した右翼団体元幹部を礼賛する追悼文を発表していたと毎日新聞が報じたことについて「経営委員が自らの思想、信条を表現することは妨げられていない。放送法に違反するものではない」と述べ、問題視しない姿勢を示した。
そのうえで長谷川氏のNHK経営委員としての適格性について、菅氏は「我が国を代表する哲学者、評論家として活躍している。我が国の文化にも精通している」と指摘し、適任だとの考えを強調した。
また、同日午前の参院予算委員会で、民主党の有田芳生氏は、NHK経営委員の作家、百田(ひゃくた)尚樹氏が東京都知事選で応援演説に立った際、対立する主要候補を『私から見れば、人間のくずみたいなものだ」と発言したと指摘。安倍晋三首相の見解をただした。
これに対し、首相は「そこで聞いていたわけではない。聞いていないから感想を述べようがない」と答弁。有田氏は、長谷川氏の追悼文についてもただしたが、首相は「読んでいないから答えようがない」と述べるにとどめた。
長谷川、百田両氏とも昨年11月、NHK経営委員に就任。ともに2012年の自民党総裁選で首相を支援した。【影山哲也、青木純】