記事入力 : 2014/02/05 11:02
南大門、「伝統鉄器で復元」はウソだった
ポスコが3億ウォン支援、古代製鉄分野の名匠が作業を公開
文化財庁責任者、著書で「まねをしただけ」
2008年2月、放火によって焼失した崇礼門(南大門)の復元工事を行った際、作業に用いる鉄器を伝統的な工法で製作するため現場に設けられた「崇礼門テジャン間(鍛冶屋の作業場)」で、実際には伝統的な鉄器を全く生産していなかったことが分かった。
このような事実は、崇礼門復元団長を務めた文化財庁のチェ・ジョンドク文化財政策局長が4日に刊行した『崇礼門再建-崇礼門復元団長、5年間の現場記録』(トルベゲ社)で明らかになった。文化財庁は当時、雇用労働部(省に相当)が指定した古代製鉄分野の名匠、イ・ウンチョル氏を担当者として選び、現場作業を任せ、崇礼門放火事件から3年を迎えた2011年2月10日、イ氏が精錬炉に鉄を入れて鉄器を製作する場面をメディアに公開した。
チェ局長は本の中で「(鉄器を製作する場面の)公開後、『A氏(イ氏を指す)が精錬炉に火を付けるまねをしただけで、実際に鉄器を製作してはいない』との報告を受けた文化財庁が、1カ月後に崇礼門の現場事務所でイ氏の実力を検証するための専門家会議を行った」とつづった。この席で専門家たちは「伝統的な技法ではない」との結論を下したという。文化財庁はこれを受け、伝統的な鉄器の製作を中止した。これについてチェ局長は「1998年に(景福宮の)慶会楼の修理を行った際に発見された伝統的な鉄器が残っていたため、これと現代の道具を併用して復元工事を行った」とつづった。なお、伝統的な鉄器の製作には、鉄鋼大手ポスコが3億ウォン(現在のレートで約2800万円)を支援していた。
許允僖(ホ・ユンヒ)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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