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【経済】

東電、値上げで黒字に 営業益2313億円 4〜12月期決算

 東京電力が三十一日発表した二〇一三年四〜十二月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が二千三百十三億円と三年ぶりに黒字に転換した。経常損益は千八百九十二億円の黒字。電気料金値上げで売上高が四兆八千一億円と前年同期比で10・8%増えたことが要因。ただ東電は柏崎刈羽原発(新潟県)が再稼働しない場合はさらなる値上げを示唆しており、東電を救うための利用者負担の「底」はまだ見えない。

 一二年九月に家庭向け電気料金を平均8・46%引き上げたため、料金収入は前年同期より二千二百億円増加。さらに複数の発電所の修繕工事を先延ばしするなどして経費を減らし利益を稼いだ。一四年三月期も千三百四十億円の営業利益を確保する見通し。

 ただ、原発が稼働しない状況が続くと燃料費が高い火力発電所を中心に発電することになるため、東電は「再び赤字に転落し、福島第一原発事故の被災者への賠償資金が工面できなくなる」と主張。柏崎刈羽原発が再稼働できなければ、今年秋にも平均10%程度の料金値上げが必要だと主張している。

 福島第一原発5、6号機は予定通り一月三十一日付で廃炉になった。1〜4号機は既に廃炉になっており、福島第一原発は正式に発電できなくなった。東電は5、6号機の廃炉で発電機などの資産価値が目減りする分の三百九十八億円を特別損失として計上。一方で賠償資金として原子力損害賠償支援機構から交付されたお金を特別利益に計上したため、純損益は七千七百二十八億円の大幅な黒字となった。

 

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