47NEWS >  47トピックス >  社会

47トピックス

【秘密保護法案】 声明など(3) 分野超え、反対広まる


 政府が成立を急ぐ特定秘密保護法案に反対や懸念を示す動きが、さまざまな分野に広がっている。福島県議会や多くの非政府組織(NGO)、市民団体が意見書や要請書を政府に提出。「危険極まりない法案」「憲法の基本原理を踏みにじる」。歴史学者らの署名は1900人を超え、ジャーナリストらメディア関係者も20日に廃案を求める決起集会を開いた。

 「日本以外に『首相が第三者的に関与する』などと笑止千万な議論をしている国があるのか」

 東京都千代田区で20日、メディア関係者らが集まり、法案を厳しく批判する森雅子内閣府特命担当相宛ての要請文を採択した。会場には作家の沢地久枝(さわち・ひさえ)さん、ジャーナリストの江川紹子(えがわ・しょうこ)さん、評論家の佐高信(さたか・まこと)さん、ジャーナリストの鳥越俊太郎(とりごえ・しゅんたろう)さんらが顔をそろえた。

 ジャーナリストの田原総一朗(たはら・そういちろう)さんは「官僚が極めて恣意(しい)的に秘密を作る可能性が高く、チェックする仕組みも全くない」と怒りをあらわに。賛同者として参加した俳優の菅原文太(すがわら・ぶんた)さんは「こういう法律が出てくるのは戦後初めてだろう。国民一人一人がよく考えないといかんと思い、出てきた」と語った。

 日本外国特派員協会も廃案か大幅な修正を求める声明を公表。ルーシー・バーミンガム会長は「私たちは、意見が対立する問題については中立の立場を好んできたが、報道の自由は中立を守るべき問題ではない」と強調した。

 東京電力福島第1原発事故で、情報開示への不信感が高まった福島県の県議会は全会一致で「慎重な対応を求める」とする首相、衆参両院議長宛ての意見書を可決した。

 長崎の被爆者5団体も「(戦前は)すべての情報は国が管理し、国民の知る権利はなかった。あの時代に再びこの国は戻るのか」とする首相宛ての声明文をまとめた。

 「歴史の真実を探求する研究が妨げられる恐れが強い」として、反対する声明を発表したのは歴史学の研究者たち。高校や大学の教員を中心に、賛同する署名は1900人超に。同時代史学会代表の吉田裕(よしだ・ゆたか)一橋大大学院教授は、秘密が解除された後に公文書として管理、公開されるのかどうかを心配する。「ひそかに公文書が廃棄され、歴史的に重要な史料が闇の中に葬られる可能性もある」と指摘した。

 憲法・メディア法と刑事法の研究者も、それぞれ反対の声明を出した。

 秘密保護法が制定されれば、市民活動の萎縮や情報公開の後退を招く恐れがあり、国際協力の分野で活動するNGO102団体やNPO法人「情報公開クリアリングハウス」も反対を表明している。(2013年11月20日)


■釧路の弁護士ら反対声明

 北海道釧路市の弁護士や医師らでつくる「釧路九条の会」が20日、釧路市で記者会見し「特定秘密保護法案に断固反対する」との声明を発表した。最近の安倍政権の動きを「戦争する国づくり」と批判した。

 記者会見で代表世話人の佐藤昌之(さとう・まさゆき)北海道教育大名誉教授は「特定秘密保護法案は戦前の治安維持法に似ている。憲法9条を守り、戦前の日本へ戻ろうとする動きを草の根から阻止したい」と訴えた。(2013年11月20日)


■「権力集中を意図」と批判 秘密保護法案に国際ペン

 世界102カ国の作家やジャーナリストでつくる団体「国際ペン」は20日、特定秘密保護法案について「政治家と官僚が、ただ市民の情報と言論の自由を弱体化させ、自らに権力を集中させようとしている」と批判する声明を発表した。

 日本ペンクラブによると、日本国内の問題について国際ペンが声明を出すのは戦後初めて。

 声明はジョン・サウル国際ペン会長らの名義で出され、同専務理事の作家堀武昭(ほり・たけあき)さんや日本ペンクラブ(浅田次郎(あさだ・じろう)会長)常務理事の作家西木正明(にしき・まさあき)さんが共同で発表。堀さんは「日本は言論の縛りのない国だと思われていた。『日本もか』という驚きが声明に表れている」と指摘した。(2013年11月20日)


■横浜事件遺族が反対声明 特定秘密保護法案

 戦時下最大の言論弾圧事件として知られる「横浜事件」で逮捕された被害者の遺族や支援者でつくる団体が20日までに、政府が今国会会期内での成立を目指す特定秘密保護法案について「本質は治安維持法の再来。断じて許すことはできない」と反対する声明を発表した。

 発表したのは「横浜事件を語り、伝える会」。声明では、治安維持法違反で横浜事件が引き起こされたことや、1985年に自民党が国会提出し、廃案になった国家秘密法(スパイ防止法)案に触れ「本質は同じ。『行政機関の長』の一存で『秘密』は自在に作り出される」と指摘している。

 横浜事件では治安維持法違反容疑で編集者ら約60人が逮捕。30人以上が起訴され、大半は終戦直後に有罪判決を受けた。45年に有罪判決を受けた故小野康人(おの・やすひと)さんの長女、斎藤信子(さいとう・のぶこ)さん(64)=横浜市=は「与野党の修正協議で秘密の指定期間などが問題となっているが、法案自体許すことができない」と憤っている。(2013年11月20日)

 (共同通信)

 声明など(1)はこちら
 声明など(2)はこちら
 声明など(4)はこちら
 声明など(5)はこちら

2013/11/21 14:47

ロード中 関連記事を取得中...


コメント

日本のこの不条理な状況を、英語でもって全世界に発信してはどうでしょうか?

投稿者 K-chan : 2013年11月23日 15:30

この恐ろしい法案に、一部の野党まで同調しようとする
動きが怖い。与党が強い力を持っているので、その仲間に入れてもらおうという魂胆か、「問題がある法案だが、一歩でも前進出来たのだ」と党首が言う。あきれたものだ。
野党だけでなく、与党にも反対者はいると思うが、今は
この法案を恐れている者が、しっかり意見を出して、協力して反対運動を広める時である。
反対でもが全国的になれば、与党も少し考えるのではないだろうか。

投稿者 Mac Fujisan : 2013年11月21日 23:24

 以前 麻生 太郎財務大臣が ドイツのワイマール憲法件の様に しくしくと やればいいと 言っていたけど いつのまにか はまっていく日本 暗黒の世界に入っていく 思う壺になってしまう 議事録も残さない・やりたい放題・憲法を拡大拡大解釈 最高裁期待していたのに腰砕け これからの世界を考えたら自分たちの首を絞める。               これからのの若者達に 申し訳ない。

投稿者 天野 寿喜 : 2013年11月21日 19:29


コメントをお寄せください