中国で絶賛土下座パフォ-マンスを繰り広げる兄鳩、そしてかつて「友達の友達はアル・カ-イダ」と言って物議を醸した弟鳩。
この鳩兄弟が理事長・副理事長を務める財団(※)が行っている日中交流植林活動は1999年設立された「日中緑化交流基金」(通称「小渕基金」)の助成を受けています。
※一般財団法人 日本友愛協会
http://yuaikyoukai.com/index.html
理事長 :鳩山邦夫 副理事長:鳩山由紀夫
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この日本国民の血税によって設立された「日中緑化交流基金」について、外務省・林野庁・日中緑化交流基金のHPで調べてみました。
なお「日中~」と聞くと中国も金を出しているような印象を与えますが、お金を出しているのは日本だけ、植林をする場所は中国国内だけです。(いつものパタ-ン)
①外務省HP ― 近年の助成事業に関する記載なし
■日中民間緑化協力委員会の設置とその活動
平成19年8月 http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/green.html
1.設置の経緯
(1)1999年7月の小渕総理(当時)訪中時に、98年の大洪水を教訓として全国規模の植林緑化運動に取り組んでいる中国に対する民間団体等による協力を支援するため、100億円規模の基金の設立を小渕総理が提案。
(2)これを具体化するため、同年11月19日、日中間で「日中民間緑化協力委員会」という国際機関を設置し、この委員会が、中国に対して植林緑化協力を行おうとする日本の民間団体等に資金助成を行うとの仕組みを定める交換公文を取り交わした。
日本政府は同委員会に対し、平成11年度の本予算及び補正予算から計100億円を拠出した。
(その後、追加拠出したことはなく、また、現時点において追加拠出する予定もない)←※わざわざこんなことを書いてあることが却って疑念を抱かせます。
2.資金助成の仕組み
(1)同委員会は日中両政府それぞれの代表者により構成され、少なくとも年一回全体会合を開催し、助成対象とする植林緑化事業の選定に資するための情報及び意見の交換等を行う。
(2)また、日本国内に委員会事務局として「日中緑化交流基金」を置いており、この事務局が資金の管理、必要な支払、資金の使途に関する委員会への年次報告、助成の対象とする植林緑化協力事業の審査・決定等を行うこととなっている。
(3)中国の民間団体等とペアになって中国で植林緑化事業を行おうとする日本の民間団体等(地方公共団体を含む。)が、助成を申請することができる。
事務局は、毎年公募期間を一定期間設け、この間に応募のあった事業に対する審査を経て助成対象事業を決定し、日本側の事業主体団体(申請団体)に対し助成金を支払う。
日本側団体はこれを受けて、中国側パートナー団体と共に植林緑化事業を行い、事務局に対し事業報告を提出することになっている。
日中緑化交流基金HPより
3.助成実績
2000年から2006年までの7年間の助成事業による植林面積は、2万6千ヘクタールを超え、植林地は、黄土丘陵・黄土地帯、長江流域、北京市周辺地区及びその他砂漠化地域等、中国国内に広く分布。日本側の助成事業実施団体として、青年会議所等の青年団体、日中友好協会等の友好団体、環境NGO、林業団体等様々な団体が本件事業を実施。
各年の助成実績は以下のとおり。(※2000~2006年度助成事業まで記載。 2007年~記載なし)
4.日中民間緑化協力委員会の開催状況等 ( ※2000年 ~ 2007年 までの記載のみ。)
②林野庁HP―近年の委員会の開催記録なし
日中民間緑化協力委員会については林野庁のHPに記載されているのですが、以下のH21年(第10回)を最後に掲載が見当たりません。
その後はどうなっているのかと疑心暗鬼になるのは国民として当然のことです。
■日中民間緑化協力委員会第10回会合の結果概要について
平成21年7月8日 林野庁HP
http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/kaigai/090708.html
7月2日(木曜日)に開催された、日中民間緑化協力委員会第10回会合の概要についてお知らせします。
●出席者
【日本側委員】
小原雅博 外務省アジア大洋州局参事官、
小川正史 外務省アジア大洋州局中国モンゴル課日中経済室長、
矢部三雄 林野庁森林整備部計画課長
【中国側委員】
曲桂林(きょくけいりん) 国家林業局国際合作司長、
熊波(ゆうは) 外交部アジア司参事官、
劉立軍(りゅうりつぐん) 国家林業局国際合作司双辺処長
●議事内容
(1)2008年事業年度に実施した植林緑化事業の実施状況及び評価について
(2)2009年事業年度における民間団体等への助成事業の実施方針について
(3)その他
• ODAや植林活動を行う団体、企業等との連携強化
• 植樹後の現地調査や指導等による維持管理の徹底
• 日中交流に貢献する普及啓発活動の展開
●次回会合について平成22年6月から7月を目途に中国で開催することになりました。
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上記掲載を最後に日中民間緑化協力委員会に関するプレスリリ-スはパタリと途絶えています。
この会合の開催のプレスリリ-スがありますが、奇妙な文言が入っています。
■日中民間緑化協力委員会第10回会合の開催について
http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/kaigai/090630.html
7月2日(木曜日)、外務省において日中民間緑化協力委員会第10回会合を開催いたします。会議は非公開です。冒頭カメラ撮りも出来ません。なお、結果概要については作成次第速やかにお知らせいたします。
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「会議は非公開です。冒頭カメラ撮りも出来ません。」
この基金の設立目的や議事内容等を見れば、カメラ撮りもできない、というのは奇異な印象を受けます。
過去の会合開催のプレスリリ-スを辿ると、H20年の第9回からこの文言が出てきます。(H19年までの会合がどうであったかは不明。書いていなくても非公開、カメラおことわりだった可能性もあります)
次に日中民間緑化協力委員会の日本国内事務局「日中緑化交流基金」のHPを見てみると、
③日中緑化交流基金HP ― 謎だらけ
■日中緑化交流基金
http://www.green.or.jp/nichu/
東京都千代田区平河町2-7-5 砂防会館内
●基金のメンバ-、責任者の名前一切なし。
「助成事業の概要」「助成事業交付一覧」の末尾に担当者として2名の名前(苗字のみ)が掲載されているだけ。
●資金補助先団体一覧はH24年度のものだけ。それ以前は掲載なし。
●財務報告書の類は「平成23年度収支報告書」のみ。それ以前の年度のものはなく単年度だけ。監査なし。
●10年間(H12~21年)の総助成金額は49億円。
H22年 ?
H23年 23年度助成事業費 8億8583万円(財務表収支報告書から判断)
H24年 7億7920万円(http://www.green.or.jp/nichu/h24jigyou.html)
正味財産期末残高(H24/6/30) 38億2620万5190円
●中国側カウンタ-パ-ト;中華全国青年連合会、中国緑化基金会、人民対外友好協会等の友好団体、省・自治区・市及び県等の地方政府など
※中華全国青年連合会(日中青年研修協会HPより)
http://www.jpn-chn.or.jp/chuka.html
※中国緑化基金会(中国緑化基金会について)
http://ecology-green.jp/index.html
●日本側民間団体;東京青年会議所等の青年団体、(社)日本中国友好協会等の友好団体、(特)世界の砂漠を緑で包む会等の環境NGO、(社)海外林業コンサルタンツ協会等の林業団体など多様な民間団体
以上、結局、基金に対する疑問が膨らむだけで何もわからないのですが、我々の税金が100億円も投じられたのに、このアバウトさは一体何なのでしょう。
「日中民間緑化協力委員会」という国際機関(外務省HP)の事務局、ということで監査等のメスが入ることを阻んでいるのかもしれませんが、ひどすぎます。
この基金のいかがわしさは何と言ってもまともな財務諸表を公表できないことで証明されていると思います。またこのような植林事業をなぜ基金という形にする必要があったのか、という疑問があらためて生じます。植林事業なら、通常のODA事業で充分なはずです。
同基金のHPにも掲載されていますが、昨年、外務省や林野庁のHPから近年の活動報告が消えて以来、久々にこの基金の名前を見かけました。(場所が通州ということでご記憶の方も多いかもしれません)
■北京で中日国交正常化40周年記念友好植樹 唐家璇氏ら千人近く参加
2012/04/22 中華人民共和国日本大使館
http://www.china-embassy.or.jp/jpn/zrgxs/t925063.htm
中日国交正常化40周年を記念する友好植樹活動が21日午前、北京の通州で行われた。中日双方が共同で「中日友好林」記念碑の除幕を行った。~今回の植樹活動は日本政府が資金を拠出している日中緑化交流基金が中心になって行われている。~
このプレスリリ-スからも、「日中~」といっても、日本側しかお金を出していないことが確認できます。
★この基金はかつての自民党時代に設立したものです。毅然とした対中姿勢を強める安倍政権が、本当に中国と対峙するためには、こういった対中援助の闇を自ら検証する必要があります。それは納税者に対する義務であると思います。
それにしても、尖閣に対する中国の挑発が続いているにもかかわらず、「対中援助を止めよ!」という政治家は未だに人っ子一人いないようです。(期待はしていなかったのですが)
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