父親亡くした少女の近況は12月19日 18時39分
ことし3月の暴風雪の際、オホーツク海側の湧別町で吹雪で動けなくなった53歳の男性が、当時、小学3年で9歳の長女をかばうように抱いた状態で一夜を過ごし、翌朝、死亡した状態で見つかりました。
この長女と一緒に暮らす親類の女性から、長女の近況などをつづった手紙がNHKに寄せられました。ことし3月3日の朝、湧別町で漁業を営んでいた岡田幹男さん(53)が路上で長女をかばうように抱いたまま、死亡しているのが見つかりました。
警察などの調べによりますと、岡田さんは、その前日、猛吹雪で車が立往生したため、長女とともに、歩いて知人の家に向かっていて、動けなくなったということです。身寄りのなくなった長女は、現在、親類の女性と暮らしています。
まもなく新年を迎えるにあたって、女性から、10歳になった長女の近況などをつづった手紙がNHKに寄せられました。
長女には現在も全国から励ましの手紙などが届いていているということで「皆様からのお心遣いが届いている中、この子は毎日元気に過ごしております」と書かれています。
しかし、長女の最近の様子については「十二月に入り、雪を目にする様になってからは、あの日のことを思い出すのでしょう。毎日元気にしておりますが、心の中は、まだまだ穏やかではない様です」としています。
その一方で、父親と、おととし亡くなった母親については、徐々に話す機会が増え「お父さん、お母さんの分まで生きるんだ」と話していることが紹介されています。最後に、女性は「これから十年。成人を迎えるまで共に新たな人生を歩んで行こうと思います。全国の皆様、ほんとうにありがとうございました」と結んでいます。
湧別町役場によりますと、先月末までに手紙に加え、洋服や文房具などの支援の品、それに支援金など、あわせて400件以上が届いているということです。