<王将社長射殺>恨み持つ人物関与か 財布や着衣に乱れなく
毎日新聞 12月19日(木)21時1分配信
19日午前7時ごろ、京都市山科区西野山射庭ノ上(いばのうえ)町の王将フードサービス本社ビル前駐車場で、大東(おおひがし)隆行社長(72)が拳銃のようなもので撃たれ、うつぶせで倒れているのを従業員(58)が見つけ119番通報した。大東さんは市内の病院に運ばれたが、死亡が確認された。京都府警は殺人事件とみて、山科署に捜査本部を設置した。現場では複数の薬きょうが見つかった。同社はギョーザを中心とした中華料理店「餃子の王将」を全国展開している。
【犯人像は? 行動把握、待ち伏せか…短時間に銃弾命中も】
京都市消防局によると、従業員は携帯電話での通報で「社長が倒れ、呼吸がない。人工呼吸している」と話したという。救急車が駆けつけたところ、同社の駐車場で大東さんが血を流して倒れていた。右胸と左腹2カ所の計3カ所に傷があり、心肺停止状態だった。
捜査本部は午後3時から平尾友春・捜査1課長らが記者会見。会見によると、大東さんはこの日、いつもと同じように午前5時半ごろ自分で車を運転し、自宅を出たという。現場の駐車場までは約10分の距離で、大東さんは車のそばで発見された。財布や小銭入れ、車のキーなど所持品で無くなったものはなく、着衣の乱れもなかったという。
検視の結果、銃創があり、拳銃で殺害されたとみている。争った形跡もないことから、会社に到着し車を降りた直後の午前5時40〜45分ごろ、何者かにいきなり撃たれた可能性があるとみている。会社や大東さんに恨みを持つ人物の関与も疑われ、周辺でトラブルがなかったか捜査している。
同社は大阪市中央区の大阪証券取引所で記者会見し、「思い当たるようなトラブルはない」と説明した。大東さんは大阪市生まれ。創業者の故加藤朝雄氏の義弟にあたり、1969年、中華料理店「王将」(現王将フードサービス)に入店した。専務、副社長などを経て、2000年に4代目の社長に就任した。
現場は、JR山科駅南西約3キロの住宅街で周囲に田畑もある静かな地域。【土本匡孝、村田拓也、岡崎英遠】
最終更新:12月19日(木)21時31分