ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
月夜の唄。
作者:青木麗二
会いたいなんて口が裂けても
言ってはならない
歌を唄うように紡いできた
笑顔を壊すことなんて
おいそれとはできない

肩に寄りかかるだけ
距離をきちんと保ちながら
口づけてくれたあの日を
現実と把握することは許されず
こうして一人で泣くの

覚めるまでの辛抱
幸せを手に入れたあの人達の
筋が通った生活の全てを
せこく狡賢く見つめて
そうまでして何が欲しいの

誰にでも均等に優しいあなた
地図の読めない私にまで
月明かりのような声で
手を引くような加減で
当然のように優しい

名前を呼ぶことも許されず
にわか雨の中自転車を走らせ
濡れた靴は脱げても
根こそぎ愛したあの人の温もりは
残り一滴捨てられなかった

早過ぎる季節の移ろいを
非道と責めることはしない
二人きりになっても
返事が来ることはないのだし
本当にあなたの大切なものは知ってるから

待っていますなんて言えない
未練は澱のようにあるけれど
難しい恋は苦手だから
珍しいほど潔く手を振って
もう愛さないと思った

病める時も健やかなる時も
優月の灯りはあの人だけに
寄り添ってあげて下さい
評価
ポイントを選んで「評価する」ボタンを押してください。

▼この作品の書き方はどうでしたか?(文法・文章評価)
1pt 2pt 3pt 4pt 5pt
▼物語(ストーリー)はどうでしたか?満足しましたか?(ストーリー評価)
1pt 2pt 3pt 4pt 5pt
  ※評価するにはログインしてください。
ついったーで読了宣言!
ついったー
― 感想を書く ―
⇒感想一覧を見る
※感想を書く場合はログインしてください。
▼良い点
▼悪い点
▼一言

1項目の入力から送信できます。
感想を書く場合の注意事項を必ずお読みください。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。