世田谷一家殺害:現場の住宅3D模型…捜査に活用 警視庁
2013年12月18日
3Dプリンターで作製された世田谷一家殺人事件の被害者宅の模型。それぞれの犠牲者が倒れていた場所が記されている=警視庁で2013年12月18日午前10時41分、梅村直承撮影
東京都世田谷区の自宅で2000年12月、会社員の宮沢みきおさん(当時44歳)一家4人が殺害された事件で、警視庁は18日、三次元(3D)プリンターで作った宮沢さん宅の模型を報道陣に公開した。事件から約13年が経過し、発生当時を知る捜査員が減る中、模型で現場の様子をイメージしながら捜査に活用する狙い。
同庁科学捜査研究所が作製し、2階建ての宮沢さん宅を約28分の1の大きさで再現した。屋根部分を取り外すことができ、間取りや4人が亡くなっていた場所が詳しく分かるという。
3Dプリンターは複雑な立体物を簡単に作製でき、コスト削減などにつながるとして物づくり現場で急速に普及している。同庁では3年前に導入し、地下鉄サリン事件の特別手配容疑者の顔の模型を作って追跡捜査に活用するなどしている。
事件は00年12月31日、宮沢さんと妻泰子さん(当時41歳)、長女にいなちゃん(同8歳)、長男礼君(同6歳)が殺害されているのが見つかった。現場に残された犯人の指紋などを手がかりに捜査しているが、容疑者特定には至っていない。
青木樹哉・捜査1課長は「3D化することで、捜査員も、より現場の状況を推察することができる」と話している。【松本惇】