米国債:上昇、2年債入札で旺盛な需要-低金利継続観測で
12月17日(ブルームバーグ):米国債市場では2年債入札(発行額320億ドル)で需要がほぼ1年ぶりの高水準となった。連邦公開市場委員会(FOMC)の低金利政策が引き続き支援材料になるとの見方から買いが入った。
2年債入札では投資家の需要を測る指標の応札倍率が3.77倍と、1月以来の高水準となった。過去10回の平均は3.26倍。最高落札利回りは0.345%と、8月以来の低水準。ブルームバーグがまとめた先物市場のデータによると、FOMCが政策金利を2014年末まで維持する確率は89%とみられている。
GMPセキュリティーズ(ニューヨーク)の債券戦略ディレクター、エイドリアン・ミラー氏は「FOMCは短期金利を長期間維持することにコミットしていると市場を納得させるのに成功しており、期間が短めの国債をそれが引き続き支援している。フェデラルファンド金利の誘導目標は当面、低位にとどまるとのメッセージを市場は得ている。当局が期間が長めの国債利回りも抑制させることができるかどうか、18日の動きを見る必要がある」と語った。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、2年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.32%。10年債利回り は4bp低下の2.84%。
ブルームバーグが6日に実施したエコノミスト調査によると、FOMCが今週の会合で緩和縮小を決定するとの予想は全体の34%。11月8日時点での予想は17%だった。今回の調査では1月の緩和縮小を予想したのは26%、3月は40%だった。
2年債入札2年債入札では、海外の中央銀行を含む間接入札者 の落札全体に占める割合は21.5%と、8月以来の低水準。過去10回の平均は24.6%。
プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入札者の比率は30.2%。過去10回の平均は22.4%。
野村ホールディングスの金利戦略責任者ジョージ・ゴンキャルベス氏(ニューヨーク在勤)は「2年債入札への関心は強かった。18日のFOMC声明でフォワードガイダンスが強化されるとの見通しが高まっていることを反映している可能性がある」と指摘した。
財務省は18日に5年債(発行額350億ドル)、19日に7年債(同290億ドル)の入札を実施する。19日には5年物インフレ連動国債(TIPS、発行額160億ドル)の入札もある。
ガイダンスジェフリーズの政府債エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏は「FOMCがフォワードガイダンスを強めるとの予想が強く、それが引き続き2年債の支援材料となっている。要するに、現在のガイダンスが示唆するよりも低金利は長期化するということだ。緩和縮小が発表されるリスクはあるものの、期間が短めの国債への影響は限定的になるだろう」と述べた。
原題:Treasury 2-Year Note Auction Draws Highest Demand in Yearon Fed(抜粋)
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更新日時: 2013/12/18 07:57 JST