「理事長が責任逃れ」慈恵会医科大の醜聞
2014年1月号
五つの大学で論文の臨床データが不正操作されていた、いわゆる「ディオバン問題」。京都府立医科大の吉川敏一学長や滋賀医大の馬場忠雄学長らが謝罪に追われたのは記憶に新しい。しかし、火中にあって今日に至るまで、トップが責任逃れを決め込んでいる大学がある。
東京慈恵会医科大学(東京・港区)が世界的学術誌「ランセット」に発表した「Jikei Heart Study」(責任者は循環器内科の望月正武教授=当時)は、「黒い論文の見本」と指弾される。ところが、記者会見に現れたのは橋本和弘医学部医学科長。大学トップが謝罪した他大学と比べ異様な扱いと言う外ない。そこには学内事情が絡んでいる。
「2013年4月に学長になった松藤千弥氏は栗原敏理事長の傀儡。学長に謝罪させないのは、後ろ盾の理事長に火の粉が及ぶ恐れがあるから。理事長が望月教授をバックアップしていたことは周知の事実ですから」 ………