イタリアの名門ACミラン入りする日本代表MF本田圭佑(27)に不安あり――。超ビッグクラブでエースナンバー10を背負い、さらなる成長を目指す本田に、元日本代表FW武田修宏氏(46=本紙評論家)が緊急提言。欧州屈指のリーグで大活躍するために克服すべき“3つの課題”があると指摘した。
【武田修宏の直言】名門クラブで背番号10番を背負うなんて、本当にすごいね。イングランドのマンチェスター・ユナイテッドでプレーするFW香川真司(24)と合わせて、これから世界のサッカー界で日本人選手の評価は大きく変わるんじゃないかな。
来年1月には実際にミランでプレーするけど、いくつか不安な点もある。ひとつはスピード。イタリアリーグも近年は試合展開が速くなっており、攻守の切り替えとともに走るスピードも不可欠。本田はフィジカルや技術力には定評がある一方、走力の方は持久力、スピードといまひとつ。これを指揮官がどう評価するのか。
2つ目はリーグ独特の激しさ。ロシアとは比較にならないほど当たりが厳しく、足首やヒザに古傷の“爆弾”を抱える本田にとって、負傷の不安は尽きない。しかも、新加入選手は“洗礼”を受けることが当たり前。ブラジルW杯が約6か月後に迫っており、十分な対策が必要じゃないかな。
最後は熱狂的なミラニスタ(サポーター)や地元メディアの存在だね。低迷するチームに10番を背負う新戦力が加入。その期待度は他の新入団選手の比ではない。ふがいないプレーをすれば容赦ない罵声が飛び交う。元日本代表MF中田英寿氏(36)も、ローマ時代にはグラウンド外でもサポーターから物を投げられるなど危険な目に遭ったと聞いた。
それに地元メディアも非常に辛辣。特に外国人には過激で、ミスをすれば徹底的に批判を受ける。かつて同国のジェノアでプレーしたカズ(元日本代表FW三浦知良)も日本人というだけで「正直ボロカスだったね。何しに来たんだ!って書かれたよ」と話していたからね。伝統あるクラブだけに、メンタルの強い本田でも計り知れない重圧と戦わないといけない。彼も十分にわかっていると思うけど、ビッグクラブで活躍するのは決して簡単ではない。試練を乗り越えて成功すること信じたい。
☆武田修宏:たけだ のぶひろ=1967年5月10日生まれ。静岡県出身。幼少期から「天才少年」と呼ばれたストライカー。名門・清水東(静岡)か ら86年に読売クラブ(現東京Ⅴ)入り。ルーキーながら11得点を上げ、リーグⅤに貢献し、MVPにも選出された。Jリーグ発足後はV川崎や磐田、京都、 千葉などでプレー。00年には南米パラグアイのルケーニョに移籍。01年に東京Ⅴに復帰し、同シーズンで現役引退した。Jリーグ通算は94得点。JSL時 代も含めれば152得点を挙げた。87年に日本代表に選出。93年アメリカW杯アジア最終予選でドーハの悲劇を経験した。http://takeda.at.webry.info/
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