専門家ゲスト:山崎美津江さん(相模友の会)
ゲスト:金子貴俊さん(俳優)、RIKACOさん
リポーター:近藤泰郎アナウンサー
生活術の達人・スーパー主婦の知恵と力を借りて、暮らしのお困りごとを解決するシリーズ。
■スーパー主婦:山崎美津江さん(相模友の会)・岡部聰子さん(東京第三友の会)
セスキ炭酸ソーダは、重曹にアルカリ度の高い炭酸ソーダが加わったもので、アルカリの力は重曹の10倍以上。油汚れやたんぱく質の汚れなどをよく落とします。基本的には水に溶かした「セスキ水」をスプレーボトルに入れるなどして使うのがお勧めです。
【セスキ炭酸ソーダの得意分野】
・油汚れ
・皮脂・手アカ
・たんぱく質汚れ(血液など)
水500ミリリットルにセスキ炭酸ソーダ小さじ1の割合で溶かします。
頑固そうな油汚れや、ステンレスの曇りなど、セスキ水で煮たり、お湯にセスキを溶かしてしばらくつけ置くなどすることで、アルカリの力に時間と熱が加わって、より落ちやすくなります。
水3リットルにセスキ炭酸ソーダ大さじ1の割合で溶かします。
※鍋のこげつきは、炭化してしまったようなものは、セスキ煮でもすぐは落ちずに、研磨の必要があるものもあります。時間をかけてゆるませることも有効です。発泡効果のある重曹水で煮て、粉の状態の重曹で研磨するほうが有効な場合もあります。
※セスキ炭酸ソーダはアルカリ度が高いので、皮膚の弱い方は手荒れに注意してください。
また、重曹と同様に、アルミ製品に使うとアルカリで黒ずむことがあります。
表面加工が落ちてしまうこともあるので注意してください。
豊橋友の会が愛用している、ゲル状で汚れに留まりパック効果がある「プリン状せっけん」。
アルカリ度もセスキ炭酸ソーダと同等に高く、せっけんの界面活性作用(汚れを包み込んで水に溶かす働き)があるので、油汚れに加え、泥汚れもよく落とします。
汚れに塗って、時間をおいてから水で流す、拭き取るなどします。
ぬるま湯(20度~50度)500ミリリットルに粉せっけん50グラムを加えて混ぜ溶かします。3時間以上おいて冷えれば出来上がりです。
せっけんの材料の油の違いや、温度やせっけんの分量などによって、プリン状だったりドロドロだったりしますが、洗浄力に違いはありません。
※洗濯用合成せっけんは不向きです。成分表示に純せっけん分と、アルカリ剤(炭酸塩)がある、お湯で溶かすタイプのシンプルな粉せっけんがお勧めです。
※せっけんも、セスキ炭酸ソーダと同様に、皮膚の弱い方は手荒れに注意してください。
また、重曹・セスキ炭酸ソーダと同様に、アルミ製品に使うとアルカリで黒ずむことがあります。
表面加工が落ちてしまうこともあるので注意してください。
トイレのにおいの3つの原因
男性の尿の跳ねがにおいの元です。
尿がかかって乾き、尿石という固いものになり、そこに排泄物が付着するなどしてにおいのもとになります。トイレットペーパーをあててクエン酸水(水200ミリリットルにクエン酸小さじ1)をスプレーし、クエン酸パックをします。
1時間ほどおいてから、ゆるんだ汚れを削り取ります。お勧めは、スポンジの表面がやすり状になっているスポンジ研磨材。衛生陶器用に使える1500番の粗さのもので、スポンジ状なので曲面でも力が伝わりやすいのが特長です。
隙間に入り込んだホコリに尿も加わって固まり、においを発します。クエン酸パックをしてからブラシやヘラなどに雑巾を被せてこそげ取ります。
【クエン酸の得意分野】
・トイレの尿石・輪じみ
・アンモニア臭を消す
・水アカ
※鏡の水アカには、クエン酸パックしたあとに2000番の耐水ペーパーを使って水をかけながら削り取る方法がお勧めです。
※大理石は、クエン酸に長い間浸しておくと溶けてしまいますので注意してください。
※そのほか山崎さんは、掃除をしやすくして、ホコリがたまらないようにするために、トイレの床には物を置かないように心がけています。
岡部聰子さんは、「汚れをためておおごとになるのが嫌」だと、ふだんからこまめに掃除をしていることで、いつもきれいをキープしています。その掃除の習慣を見せていただきました。
岡部さんは、その場所を使ったときに、使った勢いで「ついでに」掃除します。「掃除をしなきゃ」と構えることなく、動き出しているのでハードルが低くなります。また、毎日のことなので、汚れも少なく1~2分で済むので負担にもなりません。ほかにも、洗濯物を干すときに片手に雑巾を持っていって、階段の手すりを上りながら拭いて行き、帰りは階段を拭きながら下りていきます。
【岡部さんのついで掃除】
・キッチン・・・コンロ周り・シンク
・洗面所・・・洗面台・蛇口・鏡
・トイレ・・・便器・便座・手洗い
・風呂場・・・浴槽・鏡
「寝る前の家」とは友の会の合い言葉で、翌朝の仕事を気持ちよくスムーズに始められるように、寝る前に整えておく家の状態のことです。食卓の上に何もないように片づける、キッチンには洗い物を残さないなど、これをしておくことで、翌朝「マイナス家事(後始末をしてスタートラインにつくこと)」から始めることなく、一日が気持ちよく始められます。
岡部さんは、月に1度、年に1度~数度と、必要な「ていねい掃除」の頻度によって、一覧の表にまとめています。そして、やり終えたら丸に色を塗っていくことで、達成感が出てやる気になると言います。掃除が1年にまんべんなく振り分けられるので、いつも一定以上のきれいをキープ出来、特に大掃除も必要なくなります。友の会では「油汚れを落とすには、汚れがゆるむ夏に」と言われており、どちらかというと夏に大物の掃除を済ませてしまいます。暮れは1年の締めくくりと新年を迎える心のための、気持ちがすっきりする儀式のようなものと岡部さんは言います。
岡部流のふだん掃除を学んで、掃除の習慣が身についたという東京第三友の会の二人の方を取材しました。天児裕子さんは、トイレの「ついで掃除」が、用を足した勢いでやる1分程度で済むことがきっかけとなりました。きれい好きなご主人との関係が好転したそうです。また、鷹箸由理子さんは、仕事や3人の子育てで多忙な中、一日のこの時間に掃除をやると決め、予定に組み込みました。15分なら出来るだろうと始めましたが、やってみると15分でかなり多くの掃除が出来ることを実感しました。予定を決めたことで、たとえ出来なくてもほかの空いた時間で出来るようになり、以前は出来ないまま終わっていた一日が充実したと言います。また掃除の15分間が生活のリズムをよくし、そのほかの時間も有意義に過ごせ、今までやりたくても手がつけられなかったことに着手できるようになりました。
雑誌『婦人之友』の読者の集まり。「全国友の会」には80年の歴史があり、およそ2万人の会員がよりよく暮らし、社会に貢献することを目指して、調査・研究・実践活動を行っています。日本各地に支部があり、山崎美津江さんは「相模友の会」、岡部聰子さんは「東京第三友の会」の所属です。
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