卓上四季
日曜娯楽版
リンリン、リンリンと新聞の売り子の鈴の音が鳴る。名コメディアン三木のり平さん(故人)の呼び声が響く。「にちようごらくばあん! にちようごらくばあん!」▼戦後間もない昭和20年代に一世を風靡(ふうび)したNHKラジオ「日曜娯楽版」は、最盛期には「聴取率100%」ともいわれた人気番組だ。持ち味は放送作家三木鶏郎(とりろう)さん(故人)と仲間たちによる世相風刺と政治批判。戦中の抑圧から自由になった聴取者の痛快な投稿コントも評判だった▼朝鮮戦争を機に、政府はなし崩しに再軍備を図る。1954年に自衛隊が発足する折には、それを皮肉る投書も寄せられた。<長男は予備隊(警察予備隊)に、次男は自衛隊に入れましたが、三男は軍隊に入ることになるでしょう>(井上保「『日曜娯楽版』時代」晶文社)▼それから60年。<三男>はどうにかこうにか、正面から「軍隊」を名乗る組織に入らずにすんできた。が、当時の投稿者の<孫やひ孫>は「国防軍」に入ることになるかもしれない。「積極的平和主義」の名の下に―▼外に向かっては武器を輸出し、内には「愛国心」を押しつける。安倍政権が閣議決定した「国家安全保障戦略」は、平和憲法をなし崩すどころか崩壊させる▼「平和主義」の頭の上に「積極的」などという余計な装飾、いや“武装”はいらない。早々に剥ぎ取らないと身が危うくなる。2013・12・18
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