成人式より酷い
日教組「教研集会」の醜態
成人式での若者たちの傍若無人な振る舞いが問題になったばかりだが、でば大人ならば誰でも立派な態度かとれるのかといえば、そうとば限らない。日教組が先日開いた教研集会で、全国から集まったセンセイ方が、世にも醜いパフォーマンスを演じた。自分たちが来賓として招いた東京都教育長に「右翼!」「ヒトラー!」ど罵声を浴びせ、果ては「帰れ」のシュプレヒコール。あなた方、恥ずかしくないのか?
日教組恒例の「教研集会」が開かれたのは先月27日から30日までの4日間。この行事は、平たく言うと、先生方の普段の教育活動の成果を発表する場。年に一度開かれるのだが、50回を迎えた今年は、「平和教育」「学級崩壊」などのテーマで、25の分科会が行われた。
“事件”が起こったのは、都内に大雪が降った27日。分科会に先立ち、有明コロシアムで行われた全体集会でのことだった。取材に当たっていたある新聞記者が、この日の状況を振り返る。
「全体集会の会場には全国から4500人の組合員が集まり、すり鉢状の大きな客席は8割方埋め尽くされていました。開始時間の午前10時になるといきなり会場のライトが落ち場内のスクリーンに教育基本法の条文が映し出され、都の女性組合員が前文と第一条の朗読を始めました。会場を盛り上げるためにこんな演出をやったのだと思いますが、何だかわざとらしくて、時代錯誤な感じがしましたねえ」
この朗読が5分くらい続き、次は榊原長一委員長が15分ほどの挨拶。日教組の組合歌「緑の山河」の合唱の後に、来賓の鷲尾悦也・連合会長と今井佐知子・日本PTA全国協議会会長が祝辞を述べ、いよいよ東京都の横山洋吉教育長の番が回ってきた。
「それまでの挨拶では組合員は静かに聞いていたのですが横山教育長が壇上に立つと、いきなり“おまえの来る所じゃない!”というヤジが飛んできたのです。これを口火に、“悪魔!”“ヒトラー!”“右翼!”といったヤジが、方々から聞こえてきました。一番声が大きかったのは、壇上から見て右側方向にいた、東京の組合員がいた席です。そこには“国立二小の日の丸君が代処分反対”と書かれた横断幕が掲げられていました。ヤジはそのうちにあらゆる方向から、みなが思い思いに飛ばすような感じで広がって行きましたが、横山教育長はむっとした表情を見せながらも、淡々と祝辞を読み上げていました」
自分たちで招待した来賓に対してこんな悪態をつく神経がまず信じられないが、残念ながら彼らの醜態はこれだけでは終わらなかった。
「祝辞の中ほどで、横山教育長が、指導力のない不適格な教員に対しては厳しい処分を行う、という発言をしたのです。すると、ヤジのボルテージば一気に上がり、場内は騒然となって、教育長が言っていることは全く聞き取れなくなった。怒号とヤジが飛び交いましたが、こちらの方も何を言っているのかわからない。そのうち今度は“か−え−れ!か−え−れ!”というシュプレヒコールが起こったのです。スビーチは5分くらいで、横山さんは顔を紅潮させながら最後まで祝辞を読み上げましたが、さぞかし無念だったと思いますよ」
ちなみに、主催者である日教組が、この騒ぎを本気で止めようとした様子はない。
「司会者は何度か“静かにして下さい”と注意していましたが、形だけのような感じでした。壇上にいた榊原委員長にいたっては、隣に座っていてなにやら話していましたが、騒ぎを止めるようなことは一切せず、苦笑いしているだけでしたよ」
不倶載天の敵
以上がこの日の顛末。とても聖職者たる教師たちの所業とは思えないものだが、この騒動について日教組の石川昭子広報部長は、こう反省の弁を述べる。
「都教組と都の間には、人事考査制度をめぐって紛糾があるのですが、そんな状況の中で横山教育長が、不適格な教員は処分するという発言をして騒ぎが起こってしまった。常々考えていたことをつい口にしたのでしようが、組合員は挑発と受け止めたようです。
しかし、来賓としてお招きした方にヤジを飛ばしたのは、やばりまずかった。日教組は戦う組合ですから、元気がありすぎたという風に理解していただければと思っています」
何とも手前勝手な言い草だが、横山教育長が集中砲火を浴びたのにほ、もちろん他にも理由がある。
「やはり、横断幕にもあったように、国立二小の教師処分問題が大きい。あれを断行した張本人が横山氏だからです」(都政担当記者)
昨年3月は、国旗国歌法が成立して初めての卒業式が行われたが、日の丸・君が代反対に異様な執念を燃やす日教組はもちろん強く反発し、各地でトラブルが続出。都下の国立二小では、日の丸を掲げた校長に、教職員や児童が土下座での謝罪を要求するという、前代未聞の事態が起こった。
この行為に対して、東京都は昨年8月、関係した教職員13人を地方公務員法の職務専念義務違反で処分。この措置の責任者が、7月に教育長に就任したばかりの横山氏だったのである。
「石原都知事は選挙公約で『心の東京革命』と銘打ち、教育改革を施政の柱にすることを宣言していました。そこで、それまでは一般職だった教育長を、昨年から全国で初めて副知事、出納長と同じ特別職にし、4年の任期を与えることにした。そのポストに抜擢されて、辣腕をふるっているのが他ならぬ横山氏。ですから、日教組の側から見ると横山氏は右翼色の強い石原知事の分身であり、不倶戴天の敵なのです」(同)
そんなわけで、日教組の面々はこの日、宿敵にあらん限りの罵声を浴びせ、久々に溜飲を下げたわけなのだが、実はこれは言ってみれば、彼らの断末魔の叫びのようなもの。最盛期には85%を超えていた組織率は、昨年31.8%と相変わらず低迷。今回の騒ぎも、組合に活力が戻ってきたわけではなく、一部の跳ね返りの仕業のようだ。
「分科会の発表の時に声が嗄れている男がいて、これは風邪をひいたのではなく、全体集会でヤジを飛ばしたからだと自慢げに言うのです。それで、横山教育長のような右翼的な勢力に対してば、いつでもこちらは主張しなければならない、とアジったのですが、百人近くいた聴衆は全くの無反応。本来なら、拍手くらい起こりそうなものなのですが…」(前出の記者)
それに、行政が日教組に対して厳しい態度で臨んでいるのは、何も東京だけのことではない。
「組合の勢力が強い北海道や広島でも、国旗掲揚、国歌斉唱をめぐって、教職員はもちろん、校長にまで処分が出ている。三重では、97年から99年まで約3年の間に、延べ3万人近い教員が勤務時間内に60万時間以上の組合活動を行っていたとして、県が組合員一人一人に給与の返還請求を出した。合計で10億円以上に上るため、県教組は峰の巣をつついたような騒ぎになっています」(教育関係者)
現実を見ない体質いずれにしても、政治的イデオロギーを振りかざし、子供の教育そっちのけで組合活動に没頭する日教組が、もはや誰にも必要とされない化石のような存在になってしまったことは紛れもない事実だ。
「スローガンの書かれた横断幕が垂れ下がり、ヤジ、怒号が飛ぴ交う。そんな風景を見るにつけ、彼らは中国の文化大革命のシンパかと思ってしまう。あれが生徒にものを教える立場にある先生かと思うと、情けなくなりますよ」
こう嘆くのは評論家の谷沢永一氏。
「日教組は年々弱体化しているのに、いまだに過激な行動を取る跳ね返りがいるのは、彼らが公務員で首を切られる心配がないから。国鉄だって民営化でよくなったんですから、学校も民営化すれば、組合連動にうつつを抜かしていた教師たちも変わらざるを得なくなる。日教組という戦後の膿を完全に出すためには、それが一番良い方法だと思います」
武蔵野女子大学の杉原誠四郎教授(教育学)は、「日教組はすでに時代から取り残された団体です。社会主義という理想に燃えたものの、その実現はならず、しかもその現実を見ようとしない。そんな団体が、60年近く続いてきたこと自体が不思議なことなのです」
と指摘する。今回の常識外れの騒ぎも、彼らの悲しい体質ゆえだと言う。
「教師というのは学校という閉ざされた社会でしか生きていませんから、社会性を身につけていない。その意味では、まだ若いがゆえに社会性を身につけていない、成人式騒動を起こした若者と何ら変わりはないのです」
最後に、式典に来賓として参加し、騒ぎを壇上から見ていた今井佐知子・日本PTA全国協議会会長のこんな声も紹介しておこう。
「私も含めて他の人が挨拶に立つときは拍手が起こったのですが、横山教育長のときは紹介されると、いきなり激しいブーイングが起こりました。横山さんはそれでも毅然とした態度で最後まで話をされていましたが、怒号やヤジがすごくて、話の中身は全く聞き取れませんでした」
「私はびっくりしましたよ。子供の模範たる大人の常識が問われている昨今、個人的にどんな思いがあろうと、自分たちの組織の式典なのですから、最低限の礼儀が大切なのではないかなと感じました。あのような態度は社会人の取る行動としてはいかがなものでしようか。本当にああいう態度は教育長さんに対して失礼ではないかという気もしました。こういった先生に、子供を預けるのが心配になる親もいるのでばないかとも思いました。私たちはただ勉強のために学校に子供をいかせたいというわけではなく、安心して通わせることの出来る学校を求めているのですから」
日教組よ、あなたたちの味方は、もうそんなに多くはないぞ。
九九九より:MKさんより,週刊新潮の記事です.PTA全国協議会会長の言葉が印象的です.是非,PTA全国協議会においても,話題にしていただき,日教組解体のために力を貸してほしいものです.