東京都の猪瀬直樹知事(67)が医療法人「徳洲会」グループから5千万円を受けとっていた問題で、猪瀬氏が昨年11月に徳田虎雄前理事長(75)に面会した際、売却が決まっていた東京電力病院(新宿区)の取得を目指す考えを伝えられていたことが、関係者の話でわかった。今月6日の都議会一般質問で「東電病院の売却は話題になっていない」とした猪瀬氏の答弁は、虚偽だった疑いがある。

 徳田前理事長の意思表示に対し、猪瀬氏も、自らが東電に売却を迫ったことを話したとされ、5千万円はこの面会の2週間後に提供された。猪瀬氏は10日の都議会総務委員会で「徳洲会が東電病院に興味を持っていたことは全く知らない」とも説明していたが、これも虚偽答弁の可能性が出てきた。病院の開設や増床には都知事の権限が及ぶこともあり、辞任を求める声はさらに強まりそうだ。

 猪瀬氏は昨年11月6日、神奈川県鎌倉市の病院に入院中の徳田前理事長と約1時間、面会した。仲介役で新右翼団体「一水会」の木村三浩代表や前理事長の妻・秀子容疑者(75)=東京地検が公職選挙法違反(買収資金交付など)の疑いで逮捕=のほか、複数の徳洲会職員が立ち会った。